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御三家各当主が集まり、会議は始まった。最初は下らない世間話から始まったかと思うと、禪院家当主である直毘人が彼女を呼んだ。





「A、前に出ろ。」

「はい。失礼致します。」





酒の入った瓢箪を片手に持つその男の前に出ると、目の前に座り、深々と頭を下げる。「顔をあげろ」その指示通りに彼女は顔を上げた。凛としたその表情が崩れる事は無い。五条家、加茂家、共に口を出す者はいない。飽くまでこれは彼女の御披露目の場であるのだ。然し、それもまた口実だろう。





「お前とこうして顔を合わせるのは初めてか?」

「はい、その様に記憶しております。」

「昔この家を出た、禪院家の落ちこぼれの憎たらしい顔に良く似とるわ。」

「その方との面識はありませんが、ソレの妹でございますので。」

「お前は才に恵まれたようで何よりだな。」





「ぶははは!」と声を上げて笑う直毘人相手に、彼女はニコリと貼り付けたような笑顔を浮かべるばかりだ。





「特級への昇格、実に目出度い事だ。」

「ありがとうございます。」

「然し、お前は女だ。その優秀な血筋を残す必要がある。何度も見合いの話を見繕ってやったろうに、何時も何処ぞの坊主に邪魔されて敵わんからな。」

「………それはそれは。御迷惑お掛けしております。」





彼女はやはり笑顔を絶やさないが、五条の眉間には皺が寄りっぱなしだ。眞門が軽く肘で突くと、親指の腹でぐっぐっと眉間を押した。

この展開はなんとなく予想していた事だ。





「そこで、お前に直哉との婚約を命じる。」





やっぱりこう来たか。Aは内心でため息をついていた。直哉としては、何度も振られ続けるのも、妥協としての婚約もプライドが許さないだろう。然し、この場合は致し方ない。





「Aちゃんやって、俺みたいな優秀な男と結ばれた方が幸せやろ?」





ニコニコと笑顔を浮かべた直哉がそう言った。Aは笑顔を絶やさない。





「それは……御命令で?」

「勿論奴が気に入らぬというのなら他の男を見繕ってやろう。」

「見繕って頂かなくて結構です。」

「ほう……では、直哉と婚約するか、小娘。」





酒を呷る直毘人。直哉は彼女をどう躾てやろうかとにまにまと笑っている。Aはニコニコと笑顔を浮かべていたが、それがごっそりと抜け落ち、眉間に皺を寄せて直毘人を睨んだ。





「あんなクソ野郎、例え100億積まれたって婚約するわけないだろ。」

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- とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。更新頑張ってください! (5月23日 15時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - あれ??五条先生オチ??ってなってます笑笑これからどんな風に夏油さんオチになるのか楽しみです!! (2022年1月21日 15時) (レス) @page28 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - 更新お願いします。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。 (2021年5月11日 1時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 匿名さん» そういう言い方はやめたほうが…… (2021年4月30日 17時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - wkwk(((o(*゚▽゚*)o)))wkwk (2021年4月29日 16時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月17日 0時

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