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「……俺電話でしかあいつが死んだの話してねーんだよね。」

「色々あったしね。それが普通でしょ。」

「うん、普通。」





ここは千葉県。目の前にあるのは箕野と表札の貼られた一軒家。箕野の腕には骨壺の入った箱が握られている。なぜ二人がそれに付き合ってきたかというと、箕野の両親がどうしても会いたいと言ったからなのだとか。





「ただいまー!」

「太良、お帰りなさい。その子たちが同級生?」

「そ、無理言って来てもらった。」

「あら、ごめんなさい……私、母の凛子(りんこ)です。ごめんなさいね、無理言ってしまって……どうしても、この子の話す同級生に会って見たくなってね。」

「いえ…………」

「……これ、薫子?」

「………うん。」





母親はその箱を受け取ると愛おしそうに抱きしめた。母親がいるようでいなかった彼女にとって普通の母親とはこういうものなのか、と初めて理解できた。





「グスッ……さ、あがって、、!お父さんも待ってるから……」

「……お邪魔します。」





二人は靴を揃えて、案内されるままにリビングへと向かった。





「お父さん、太良の同級生の方が来てくれましたよ。」

「……おぉ、太良………2人もよく来たね。」





白髪まじりの髪をした優しそうな雰囲気の男性が、こちらを見て笑った。父親と呼べるような存在のいなかった彼女にとって、理想とも呼べるような男性だろう。





純史(きよし)、といいます。息子がいつもお世話になってます。……娘も、世話んなったみたいで。」





凛子からソレを受け取り膝の上に抱えると、彼女がした時と同じように抱きしめた。





「さ、どうぞ座って。母さん、お飲み物を。」

「2人とも、コーヒーでいい?」

「あ、はい。」

「2人ともこっち座れよ。」





箕野に連れられてダイニングのソファーに座る。チラッと父親の方を見ると、パチッと目が合う。彼は何か言う訳でもなく優しげに微笑んだ。どう返していいかわからなくて、すぐに目を逸らしてしまう。

彼女の知らない理想的な両親。

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- とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。更新頑張ってください! (5月23日 15時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - あれ??五条先生オチ??ってなってます笑笑これからどんな風に夏油さんオチになるのか楽しみです!! (2022年1月21日 15時) (レス) @page28 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - 更新お願いします。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。 (2021年5月11日 1時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 匿名さん» そういう言い方はやめたほうが…… (2021年4月30日 17時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - wkwk(((o(*゚▽゚*)o)))wkwk (2021年4月29日 16時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月17日 0時

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