醜い猿-4【呪術廻戦】

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｢……久しぶり。再会がこんな場面になるとはね。酷い怪我をしている………いや、治療済みか。｣

｢…………彼らに何か？｣

｢そんな他人行儀はよしてくれ。悲しくなってしまうじゃないか。｣





軽い口調でそういった彼だが、その表情は本当に悲しそうだった。今更なんだと言うのか自分になんの用があるのか、彼女はその気持ちをぐっと堪えた。





｢……おせーよ、｣

｢………助けに来てくれてありがとうございますでしょ？｣

｢へーへー……後でブランドもんでもなんでも買ってやるよ………｣

｢A………お前、………｣

｢…………夏油傑。あなたを……呪術規定第9条に基づき……今この場で処刑する……！｣

｢………君にできるかな。君からは殺気というものが全く感じられない。そんな事で、本当に今後呪術師を続けられるのかい？｣

｢……っ、、！｣





揺るぐな、冷静に。頭の中でそう警告を出し、先程、伊集院弐葉を殺した時のように構えを取る。





｢………君は、この世界ではすぐに死んでしまうよ。優しすぎるからね。どうだい、私のところに戻ってこないかい？戦う必要も無い、ただ私の傍に居ればいい。苦しい思いもしなくていい。｣

｢………私の存在意義は、非術師を守るためにある。弱気を助け強きを挫く……呪術は非術師を守るために、………それが今の、私の生き方だ。ただ存在するだけ……それは、私が存在する理由にはならない。｣

｢……あぁ、君は………君はきっとこの道を選んだことを後悔するさ。私のように。｣

｢…………ほんとに殺すぞ…………！！｣

｢………あぁ、いいよ。殺してごらん。｣





夏油は彼女の方を向くと、笑顔で両腕を広げた。まるで、彼女が自分を殺せないことを分かっているかのように。





｢………っなんで………っ、、！！｣

｢……Aいい、俺が………！｣

｢うるさい黙ってろ！！！あんたにこの人が殺せるわけないでしょう！！！｣

｢お前だって殺せねぇだろ！！！いつまで渋ってんだよ！！！！！｣

｢おいおい、仲間内で喧嘩はよしてくれ。早く殺してくれないかな？｣

｢………A…………｣





余裕そうに｢さぁ｣と笑う彼は、一歩、一歩と彼女に近づく。カタカタと震える自分の手に、落ち着け、落ち着け、と何度も言い聞かせた。





｢あんまり、僕の生徒をいじめないでくれるかな。｣

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