醜い猿-4【呪術廻戦】

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ドンッ！と大きな音が響く。一人に対して、相手は二人。しかし、片方はまだまだ経験の浅い2年生。しかし、もう片方はどうだろう。

1級の、それなりに場馴れした箕野。体力自慢の馬鹿力。頭で考えるよりも直接突っ走るのが何よりも得意とされる。

そして、その頭脳となるのが澤野だった。優れた観察眼と頭の回転力。それは彼の武器だ。





｢なるほど、常に左足に重心かかってんすか。｣

｢ひゅ〜っ！いいこと聞いた！｣

｢………そちらの赤毛、多少厄介だな。術師はなるべく殺すなと言われていたが、計画の邪魔になるなら消すしかないな。｣

｢はいはい、そうですね。で？お前のお得意の術式はいつ使うわけ？｣

｢………そうだな。お前たち相手ではまだ使う必要も無いだろう。｣

｢…あんまり嘗めてんなよ。｣





そう言って、澤野は強く拳を握る。メインの攻撃は箕野。そしてそのサポートをするのが澤野。2人の戦闘スタイルは似ていて、よく共に任務に出されることもある。

体力自慢の馬鹿力の箕野と、頭脳派の近接タイプの澤野。一緒になられると多少厄介だ。





｢お前にさぁ、ひとつ聞くわ。｣

｢……………なんだ。｣

｢俺の妹殺したのお前？｣

｢…………ツインテールの女か。｣

｢そ、その子。｣

｢……………いかにも、殺したのは俺だ。手応えもない女だったな。｣

｢あっそぉ………お前やっぱ死ね。｣





箕野から放たれる殺気。先程よりも上がった呪力に壱哉は少し押され気味だった。

誰よりも大事な妹だった。無茶をしないこと、その分必ず守るから。そう約束して入学させた妹。その約束すら果たすことも出来ず、好きな相手とも結ばれずに惨い殺され方をした。

ならばその倍惨い殺し方をしてやろうか。





｢………っ、…………そろそろ………本気でいくか。｣





懐から、液体の入った瓶を取り出すと、それを地面に叩きつけた。じわじわとそれが浮きでて手のひらの呪力に吸収される。

毒を含んだそれを、箕野に目掛けて放つ。





｢箕野先輩！！！！！｣

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