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「ごふっ…!」

「おら、さっきの威勢はどうした!!」

「ガキが…!」





ゴンッ!!と音がひびき、彼の拳が背の高く太い木を砕いた。冷や汗が背中を流れる。モロに喰らえばあの世行きだろう。





「あ"〜……あいつに呪具借りりゃ良かったわ。」

「……今更なにか悔いでも?悔いても遅いですよ。猿は遠慮なく殺していいと指示を頂いてます。」

「殺せるもんなら殺してみろよ。死ぬ気で鍛えた俺と、術式に頼って腕力上げてる甘ちゃんを一緒にすんじゃねぇ。」

「…………猿が。」

「おーおー、もっと怒れ怒れっ!」





呪具と拳。不利といえば拳の方だが、気を抜けば呪具が破壊されてしまう勢いだ。





「ふっ…!」

「がっ、!」





殴られた呪具が腹へと当たり、バキッと嫌な音がする。ゴンッ!と木にぶつかり、頭を強く打つ。どくどくと血が流れて視界を悪くした。





「……口ほどにもない。最後に遺言くらい聞いてあげますよ。私は案外優しいので。」

「はっ………優しいやつが…こ、んなこと…するかよ………お前ら、誰が情報収集した、わけ…?」

「私ですよ。」

「ははっ………は、…あっはははは!!!」





突然大笑いをする彼に、宇参は眉を顰めた。





「………何がおかしいんです?」

「…………猿だと思って詳しく調べなかったのが悪かったか………いや、俺の能力なんて誰も興味ねぇから調べてもわかんねーか。」





怪我をしていると言うのに、先程よりも流暢に話し出す彼に違和感を覚える。すると彼は、何事もなかったかのように立ち上がった。





「………痩せ我慢はやめた方がいいですよ。」

「ぜーんぜん!快調快調!ははっ!」

「…………天与呪縛。」

「そうそう。俺の天与呪縛。呪力がない代わりに、脚力、そしてスピードが並大抵のもんじゃねぇ。そしてもうひとつ……怪我をしても、すぐに治っちまうんだよ。どうだ?すっげぇだろ!…でもさぁ、俺…普段そんなにでけぇ怪我しねぇから分かんなかったわ……この能力………意外とやべぇね。」





"気分がハイになる。"





ギラついたその目は、獲物を捉えた肉食獣のように鋭く、今にも宇参に飛びかかってしまいそうだ。





「……そら、続きだ。俺はとっととお前を殺して、アイツらと合流しなきゃなんねぇんだよ!」

「…………面倒な猿だ。」

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- とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。更新頑張ってください! (5月23日 15時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - あれ??五条先生オチ??ってなってます笑笑これからどんな風に夏油さんオチになるのか楽しみです!! (2022年1月21日 15時) (レス) @page28 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - 更新お願いします。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。 (2021年5月11日 1時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 匿名さん» そういう言い方はやめたほうが…… (2021年4月30日 17時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - wkwk(((o(*゚▽゚*)o)))wkwk (2021年4月29日 16時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月17日 0時

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