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「ギィィィィィイイイイ!!!」
鋭い音を立てて大太刀が呪霊の身体を裂く。子供二人を庇いながら呪霊を祓うなんて彼女にはなんてことないことだった。
「すごい…!お姉さんつよい…!」
「当たり前ですよ。さぁ、そろそろ外に出ますよ。」
"一級祓除完了"と連絡をすると、残りの二級を祓除したと眞門から連絡が入った。一応警戒しながら、二人を連れて学校を出る。
外に出ると眞門は彼女のそばにいた子供二人を見て目を見開いた。
「…!?お前、子供保護したなら言えよ!」
「どうせ会うからいいかと思って。」
「二人とも、大丈夫…!?」
「う、うん、!お姉さんが守ってくれて…」
「…あのお姉さんが?」
「そうですが、問題が?保護するのが最優先だと言ったのはそちらでしょうに。」
そう言って彼女は額を親指でかいた。まさか本当に保護してくると思っていなくて、眞門が子供を探し箕野は残った子供と外で待っていたのだが、どこを探しても見つからずもう手遅れかもしれない、と泣く泣く帰ってきたのだ。
これは本当にまさかの出来事である。
「お姉さん、ありがとう…!」
「……言われたから助けたんですよ。これに懲りたら、もうこういう場所には入らないでください。」
「これだから小猿は…」と彼女はため息をつくが、そんな彼女に子供らは懐いていた。子供は苦手だと言っていたが、心の底から嫌いと言うわけでは無いらしい。
子供二人を伊地知に任せて、車の中で待つ。
「……ありがとうな。俺の意見を聞いてくれて。」
「………たまたま見つけたので。死んだことにして放っておいても良かったんですが、それであとから文句を言われるのも面倒です。」
「それでも助けたことには変わりねぇよ。…非術師が嫌いなのに、あの子らを助けた。お前もう立派な呪術師だ。」
「……偉そうに。呪術も扱えないくせに。」
「なんとでも言え〜」
「なぁ、Aさ、そろそろその敬語辞めねぇ?せっかく仲良くなろうとしてもそれじゃ距離あくだろ!」
「残念ですが一定の距離を保って貰えますか〜?」
「なんで!?」
「人付き合いは苦手なので〜」
そう言ってにっこりと笑う彼女に、二人はえぇ〜!と不満そうな顔をした。
「(……ほんと、変なやつら。)」
そう思いながらも、彼女は分かるか分からないかくらいの頬笑みを浮かべる。
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三隣亡 - とても面白いです!!これからも頑張ってください!続きを楽しみにしてます! (2021年3月28日 13時) (レス) id: 9280cade43 (このIDを非表示/違反報告)
璃桜(プロフ) - 七並べって七を基準に並べていくゲームなので七を止めるって事は出来ないですよー (2021年3月25日 21時) (レス) id: b88feecc79 (このIDを非表示/違反報告)
夜野ちい(プロフ) - オリキャラ2人がイケメン過ぎて惚れました...!!これからも頑張ってください。更新楽しみにしてます! (2021年3月19日 19時) (レス) id: 8c8c6f90f4 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 夢主の絵が他の人の作品にあったやつと超似てますねびっくりしましたお話は面白いです! (2021年3月15日 8時) (レス) id: e142c5115f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年3月15日 0時