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「A…あの、」
「七海さん、任務の報告書なんですけど……」
「あ、A、」
「すみません硝子さんに用があるので。」
「A……」
「悠二くん、夏油先生が呼んでました。」
「なんっっっっで!?!?」
「そりゃ災難だね。」
「真面目に聞いてる!?」
ココ最近無視されてばかりの五条はデスクに項垂れて、目の前のデスクに座りながらお菓子を食べる夏油にギャンギャンと騒ぎながら愚痴っていた。
「聞いてるよ。Aに無視されてるって話だろ?」
「そうだよ!」
「自業自得だね。今まで女にだらしなかった悟に、そのツケが回ってきたんだ。」
「………傑にも早く回ってこねーかな。」
「もう相談乗ってやらないからな。」
「ねーーーーまじどうしたらいい!?」
「どうしたらいい?と聞かれてもねぇ……」
ふむ……と頭を捻って、夏油はコーヒーを啜った。
「そもそも、君は恋愛に関しては初心者だ。今までのように遊びなわけじゃないんだろ?って聞いたじゃないか。」
「きかれた……うんって言った……」
「だろう?でも悟はそこからなんの進歩もしてない。気持ちを伝えるって言うのはただ直球に言い続けて軽薄な言葉を投げるだけじゃ意味が無い。それじゃ、ほかの女に対する対応と同じもの。
恋愛というのは少女漫画のように簡単に行く物じゃないんだ。それだけ難しいんだよ。」
「………めんどくせー………」
そう言ってガシガシと頭を書く五条に、夏油はため息をついた。やっぱりこいつに恋愛は向いていない。
「じゃあ、彼女を諦めるんだね。めんどくさいならそれがいいよ。」
「やだ!!」
「なら、悟の取るべき行動は一つなんじゃないかい?」
「……………」
「……Aの報告書に目を通したから、返さなきゃいけないんだけど、私忙しくてさぁ〜……悟、代わりに行ってくれる?」
「いく。」
「頼むよ。」
夏油は、報告書の束を五条に渡す。彼はそれを受け取るとダッシュで職員室から抜け出した。
「……まったく。手間のかかる親友だ。」
タバコ吸ってこよ〜、とタバコの箱とライターを持ち、夏油はのらりくらりと職員室を出ていった。
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NENE - あぁ、とてつもなくいい話でしたぁ!とても面白かったです!!五条先生カッコいいー!夢主ちゃん可愛いーー!! (2021年6月21日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
モブの中の雑魚 - ま、まあ?認めてあげても?いいわよ? (訳)大好きです (2021年4月23日 22時) (レス) id: db3fbbd863 (このIDを非表示/違反報告)
rindou0505(プロフ) - 初めまして、完結おめでとうございます!お疲れ様でした!五条先生が可愛くて仕方のない作品でした。とても楽しかったです! (2021年3月16日 10時) (レス) id: abbbc2a66d (このIDを非表示/違反報告)
庵(プロフ) - これは、続きを期待してしまいますね……いやはや、最高。 (2021年3月16日 4時) (レス) id: c4b5b3c501 (このIDを非表示/違反報告)
そち。 - ほんとに関係ないのですが、夢主ちゃん、私と誕生日一緒なので嬉しいです! (2021年3月7日 1時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年3月6日 13時