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サングラスを少し下にずらし、その蒼い瞳で男たちをギロッと睨みつける。
「誰の許可得て、誰のモノに触ってるわけ?とっととその汚い手離せよ。」
「いててっ……!」
男はギリギリと肩を掴まれ、咄嗟にAの手を離した。
「……二度とこの子に近づくなよ。」
低い声でそう言われた男たちは、情けない声を出したかと思うと走り去っていった。五条は彼女に目を向けると、にぱっと笑う。
「お待たせ、A!ごめんね〜遅くなっちゃって……腕、痛くない?」
「は、はい…なんとも……」
「ちょーっと見せてね〜」
ブラウスの袖を軽くめくると、少しだけ赤くなっていた。それを見た五条の顔つきがまた変わる。
「………あいつら殺そうかな。」
「ちょ、も、もう大丈夫ですから……!」
「ほんとごめんね〜やっぱ高専から一緒に来ればよかったね。」
あまりの出来事に気が付かなかったが、時計を見ると集合時間ピッタリだ。
「……珍しく遅刻しませんでしたね。」
「だってAとのデートだよ?10分前にはついてた!まぁ、その間にめんどくさい女に声掛けられたりしたけど、早く会いたくて振り切ってきちゃった!偉い?」
「えらい?と聞かれても……」
反応に困っていると、撫でてくれと言わんばかりに頭を下げてくる。彼女はきっちりとセットされたその髪にそっと手を伸ばすと、崩さないように優しく頭を撫でる。
「ふふっ……それはそうとして、今日凄く可愛いね。僕びっくりしちゃったよ。こりゃナンパされるわ。」
「真希さんと野薔薇ちゃんに手伝っていただきました。」
「通りで普段と違うメイクだと思ったよ。うん、服も似合ってるし、いつも以上に輝いてるじゃーん!あ、いつも輝いてるしいつも可愛いよ?」
「それはどうも。五条先生も、普段と雰囲気違っていいですね。」
「あ、かっこいい?あっは〜参っちゃうね!付き合う?」
「付き合いませんしそこまで言ってません。それより、早く行きますよ、五条先生。」
「ちょっと、せっかくのデートだよ?先生は無いでしょ。」
「…じゃあ、五条さんで。」
「悟くん♡でもい「五条さん。」……まぁ、いいか。じゃ、早速行こう!」
慣れたように腰を引いて、どこに行こうかー?と街を歩く。やっぱり慣れてる。そう思った時、また胸が締め付けられた。
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NENE - あぁ、とてつもなくいい話でしたぁ!とても面白かったです!!五条先生カッコいいー!夢主ちゃん可愛いーー!! (2021年6月21日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
モブの中の雑魚 - ま、まあ?認めてあげても?いいわよ? (訳)大好きです (2021年4月23日 22時) (レス) id: db3fbbd863 (このIDを非表示/違反報告)
rindou0505(プロフ) - 初めまして、完結おめでとうございます!お疲れ様でした!五条先生が可愛くて仕方のない作品でした。とても楽しかったです! (2021年3月16日 10時) (レス) id: abbbc2a66d (このIDを非表示/違反報告)
庵(プロフ) - これは、続きを期待してしまいますね……いやはや、最高。 (2021年3月16日 4時) (レス) id: c4b5b3c501 (このIDを非表示/違反報告)
そち。 - ほんとに関係ないのですが、夢主ちゃん、私と誕生日一緒なので嬉しいです! (2021年3月7日 1時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年3月6日 13時