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半分ほど食べて、薬を飲ませたあと着替えをさせたあと夏油は急いで風呂に入る。美々子と菜々子の髪を乾かして、食器を洗い終わった頃にはもう8時をすぎていた。

2人を寝かしつけて、やっと一段落。





「入るよ〜?」

「…ん?」

「心配だから、今日は私も一緒に寝るからね。」

「うん……」





マスクをしたまま彼女の隣に潜り込む。体が熱い。熱があるせいでいつもより体温がずっと高くて、布団の中も熱かった。





「熱、何度だった?」

「…38.9…」

「上がったな……明日、時雨が病院まで送ってくれるらしいからね。病院に行って、ちゃんとお薬処方してもらおう。」

「うん……」





氷枕に触れてまだ氷が入っていることを確認していると、Aの方からキュッと抱きついてきた。





「ん?」

「…んーん。なんもない……けど……したくなっただけ……」

「そうか……じゃあ、気が済むまで抱きしめてくれて構わないよ。」





その小さな体を夏油も抱きしめ返す。少し暑いが、なんてことない。どちらかと言えば彼女が甘えてくれたことに対しての嬉しさの方が強かった。





「眠れそう?」

「…うん…」





今日ずっと眠っていたが、それだけきついということだろう。明日の朝になったら少しはマシになるだろうか。そうであって欲しいと願う。





「………ん?………寝たか………」





少し荒い呼吸。赤い頬。いや、病人に盛るのは大人としてどうだろうか、と夏油は深呼吸をする。さすがに暑くなって、水でも飲もうかと体を起こすが、彼女の腕にぎゅっと力が込められる。

眠っているので、きっと無意識だろう。





「い……や………いかな…で……」

「………かわっ………ん"んっ…」





一度咳払いをしてもう一度深呼吸をする。離れないよ、と伝えるように優しく頭を撫でて、なるべく動かないように腕をのばし水を取る。腕が痛いが、それすらも気にならない。





「………君は私をどうしたいんだ………」





普段からもっとこうして甘えてくれればいいのに。それは単なる我儘なのだろうか。

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まゆゆ - 続編ですか! これからも頑張ってください(≧▽≦) (2021年3月13日 20時) (レス) id: 65cce41a2e (このIDを非表示/違反報告)
低体温(プロフ) - 更新される度読むのが楽しみです!!更新頑張ってください!! (2021年3月6日 4時) (レス) id: df64c86b58 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっさっさ - めっちゃ好きです!!更新頑張ってください! (2021年2月24日 21時) (レス) id: 092bd421d4 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年2月23日 16時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - こういう系のお話めちゃめちゃ好きです! 推します! (2021年2月23日 15時) (レス) id: 70b578b6e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月23日 12時

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