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あれから数日。彼女はあっという間に信者たちの憧れの的になっていた。
｢Aちゃん、今日も君は可愛いねぇ！｣
｢ありがとうございます。｣
｢君と仕事をしている教祖様が羨ましい…！｣
｢……光栄です。｣
彼女はそう言って笑顔をうかべる。ベタベタベタベタと触りやがって。と夏油はその様子を見ていた。生憎ほかの信者の相手をしているため、その場に行けなかったのだ。
｢(…ﾁｯ…この猿話が長いな……さっさと終わらせろ。)｣
ペラペラと話す金持ちのマダムは夏油にゾッコンである。信者の名前は間違えるし、胡散臭い笑顔、腹の底では何を思っているのか分からない。それでもやっぱり顔はいい。それなりに彼も苦労はする。
｢……あ、佐藤さんそろそろお時間では？｣
｢やだ、私は鈴木ですのよ！｣
｢そうですか佐藤さん。さ、中に入って。｣
ほいほい、とそのマダムを館内に追いやって、彼女の腰を撫でたりとボディータッチの目立つ信者に近づく。
｢後藤さん、そろそろガイダンスが始まりますよ。｣
｢夏油さん私は田中ですよ。｣
｢そうですかそうですか。さ、中にどうぞ。彼女には頼みたい事もありますから。｣
｢それは残念だなぁ…またね、Aちゃん。｣
｢はい。｣
にっこりと笑顔を浮かべて小さくお辞儀をした彼女だったが、彼が中に入ればすぐにすんっと顔が元に戻った。それはもう見ているこっちが面白くなるくらいの変わりようだ。
｢大丈夫かい？｣
｢うん。ありがとう。｣
｢ああいった猿は、別に振り払ってもいいんだよ？｣
｢…んーん。お客様だし。あの人、お金を入れてくれる金づるになるかもしれないんでしょ？時雨さんが言ってた。｣
｢金づるって……んまぁ、確かにそうだね。｣
｢それなら、愛想良くしていた方がいいかと思って。｣
｢それは嬉しいけど……嫌だと思ったら直ぐに振り払ってもいいし、私に言うんだよ？わかった？｣
｢…うん。｣
夏油｢じゃあ、私はガイダンスの演説があるから行くね。引き続き、仕事頑張って。帰りにスーパーに寄って帰ろうか。｣
｢うん。頑張ってね、傑さん。｣
｢ありがとう。｣
彼女からの｢頑張って。｣それだけでどれほど頑張れるだろうか。夏油はルンルンな様子で会場の袖へと向かった。
そんな夏油を、時雨は物珍しそうに見ていた。
｢……(なんであいつあんなに機嫌いいんだ…？…キモッ。)｣
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まゆゆ - 続編ですか! これからも頑張ってください(≧▽≦) (2021年3月13日 20時) (
レス) id: 65cce41a2e (このIDを非表示/違反報告)
低体温(プロフ) - 更新される度読むのが楽しみです!!更新頑張ってください!! (2021年3月6日 4時) (レス) id: df64c86b58 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっさっさ - めっちゃ好きです！！更新頑張ってください！ (2021年2月24日 21時) (レス) id: 092bd421d4 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 面白いです！更新頑張ってください！ (2021年2月23日 16時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
郡(プロフ) - こういう系のお話めちゃめちゃ好きです！ 推します！ (2021年2月23日 15時) (レス) id: 70b578b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年2月23日 12時
