・12 ページ12
危ない仕事なのだろうか。強くなるため、と言われてもいまいちピンと来ない。
「呪霊については教えたよね。じゃあ、術式について教えよう。
術式は才能が八割。Aはその中でも自然操術式を使っているだろう?でももちろん今まで術式なんて知らなかった。周りにそんな人もいなかった。なのにあそこまでコントロールが出来ているのは、才能以外の何者でもない。でも、まだまだなんだよ。」
「……練習すれば、もっと強くなるの?」
「うん。もちろん。それだけじゃなくて、体術とか呪具…元々呪力の込められた武器を使えるようにもならないといけない。……Aに聞くのはあれだけど、人を殺す覚悟、ある?」
「………人、って言うか、猿は殺したい。非術師とかどうでもいいけど、うちの村の人間みたいなやつらは嫌い。……その他の人間も猿だって傑さんが言うなら、嫌うなら、善人も嫌い。殺せるよ。」
「そうか……ありがとうA。」
「…傑さんは恩人だから。なんでもするよ、できることなら。」
随分懐かれたな…と内心少し嬉しい。警戒されていたらどうしようかと心配していたから尚更だ。
「なら、私が稽古を付けてあげるからね。強くなったら仕事を頼もう。私の知人に詳しい人が居てね。あとは、私からの仕事もこなしてもらおうかな。」
「うん。」
「あと、軽くお勉強もね。猿共への話し方、振る舞い方も少し身につけよう。」
「なんで?」
「私はとある教団の教祖をしているんだ。Aにも、その仕事を手伝って欲しい。だから、猿共の前に出るためのお勉強だよ。どう、やるかい?」
宗教とか教祖とかよく走らないけれど、彼の役に立てるのならそれもいいだろう。Aは少しの間があったあと小さく頷いた。
「…………やる。」
「大丈夫、少しずつ強くなっていけばいいからね。」
「うん。」
「でも、いいの?稽古はきっと痛いよ。仕事も怪我をするかもしれない。」
「村にいた時の方がよっぽど苦痛だった。」
「………そうか。……大丈夫、これからは、私が幸せにしてあげるよ。」
「……うん。」
「さ、もう寝ようか。まだAのベットがないから、私の部屋で一緒に寝よう。」
「私、ここでいいけど。」
「体、痛めてしまうよ?」
「いつもそうだし。家では床だった。」
そうだ、あの親は絶対にそうだ。やっぱメッタ刺しにして呪えばよかった。と、少し後悔。
1148人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆゆ - 続編ですか! これからも頑張ってください(≧▽≦) (2021年3月13日 20時) (レス) id: 65cce41a2e (このIDを非表示/違反報告)
低体温(プロフ) - 更新される度読むのが楽しみです!!更新頑張ってください!! (2021年3月6日 4時) (レス) id: df64c86b58 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっさっさ - めっちゃ好きです!!更新頑張ってください! (2021年2月24日 21時) (レス) id: 092bd421d4 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年2月23日 16時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
郡(プロフ) - こういう系のお話めちゃめちゃ好きです! 推します! (2021年2月23日 15時) (レス) id: 70b578b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月23日 12時