最強と娘-7【呪術廻戦】

・3 ページ3

｢恵くん〜！やっほ！｣

｢あぁ、早く降りろ。｣

｢ねー、別に良くない？｣

｢よくねーよ。｣





しかし、降りろと言われて簡単に降りる訳もなく。Aは伏黒の背中に乗ったままで、伏黒は小さくため息をついた。付き合ったからと言って背中の感触が気にならないわけじゃない。





｢ちゃちゃっと襲えば？｣

｢無茶言うな。卒業するまでなるべく我慢するようにしてんだよ。｣

｢あと2年はあるけど。てか付き合ってそうそうキスしたやつが偉そーなこと言ってんなよ。｣

｢うるせっ。｣





まだ初夜すら済ませていない二人なわけだが、付き合ってかれこれ3ヶ月以上経っている。理由としては、伏黒の卒業するまでがどうたらという真面目すぎる理由からだ。

その我慢さえいつまで続くかなんて分かったものでもないが。





｢伏黒さんが可哀想で仕方ない。｣

｢分かる。｣

｢でも助ける気もない、と。｣

｢｢分かる。｣｣

｢助けろよ。｣





肝心の同期3人もまた、助ける気は微塵も無い様子で、先輩二人もそんな気は全くないようだ。見ても知らん振り。

付き合っていようがいまいがこれに悩まされるのは決まっているようだ。





｢いい加減慣れたら？｣

｢五条さんは慣れるんですか？｣

｢いや、正直めちゃくちゃビビるし毎度娘の成長を背中で感じるからやめて欲しい。｣

｢そもそも親だからっていう反応を期待した俺が馬鹿でした。｣

｢てか付き合ってんだから良くない？五条さん心配よ？年頃の男女がいかがわしい事の一つや二つないってなんなの？父親云々の前に普通に心配なんだけど。｣





ついには彼女の父親にまで心配される始末。確かにやばい、のかもしれない。





｢あのさぁ〜……うちの子だってそれなりに気にしてるかもよ？手出してこないとかさぁ〜……あ、もしかして、処女がいやとか？｣

｢いや、そういうんじゃなくて……｣

｢だよね、そもそも恵が童貞なんだし。｣

｢おい。｣

｢でも少し気にしといたがいいと思うよ？もしかしたら愛想つかされるかもしんないし。｣





その言葉にピクッと身体が反応する。それはまずい。非常にまずい。でも確かに有り得る話ではある。彼女に限ってないとは思うが、有り得る。でもかと言って立場上未成年には手を出せない。

伏黒の悩みがまたひとつ増えた。

・4→←・2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す