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「Aいくつ?」
「17。」
「いい加減にんじん食べれるようになろうよ〜〜」
Aのお皿に乗せられたオレンジ色の野菜。何年経ってもこれだけは食べられないのだ。
「A、いい加減食えるようになれよ。」
「自分だってパプリカ食べれないじゃん。大人のくせに。」
「………うるせぇ。」
そう言った伏黒のお皿にはパプリカが乗っていた。もちろん、大人になったところで食べれるわけもない。
「二人とも子供ですね。」
「お前はブロッコリー食えよ。ほら、あーん。」
「するな……!」
「食べないと大きくなれないわよ!」
「もう大きくなったでしょうが!」
「そうだよ、もう充分大きいよ。食べ物関係ないって。」
「屁理屈言うんじゃありません。食べなさい。」
茶番を続ける双子を横目にお箸でそれを摘むと、ほれ、とAの方に向ける。彼女にぷいっと顔を逸らされたその時、そのにんじんをパクッと伏黒が口に入れた。
その行動には虎杖と釘崎も頭にハテナを浮かべた。
「え、伏黒が食うの?」
「それAの箸よ?」
「……関節キス!?!?」
「しってる。」
人参を口に入れたまま、ガッと彼女の頬を掴んだ。
「なに……ん"っ……ん"ん"ーー!!!」
「「「あ"ーーー!!!!!!」」」
唇に噛み付く勢いでキスをすると、そのまま彼女の口に人参を押し込む。恥ずかしいのと嫌なのとでドンドンと伏黒の背中を殴るも彼はビクともしない。
ゴクンッと喉がなったところで、口が離れる。
「よく食べました。」
「よく食べましたじゃないよ!!!」
「………は、、、?」
何が何だか分かっていないAはぽかーんとしているままだ。その横ではしてやったり顔の伏黒。それにムッとして、今度は彼女が彼のお皿のパプリカを口に入れた。
「は、、、?」
状況を理解する前に、先程の伏黒と同じようにキスをしてそのまま彼の口にパプリカを押し込む。まさかやり返されると思っていなくて、すんなりと飲み込んでしまった。
口を離すと、にやにやとしてやったり顔の彼女。
「これでおあいこね♡」
それだけ言って食器を持つと、それを返却口に置いて食堂を出ていった。
「……やられた……!!」
「やられた……!じゃねーよ。」
「親の前で堂々とイチャつくな!!!!」
「俺らもする?」
「しねーよ!!!ブロッコリー近づけてくんな!!!」
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emma(プロフ) - 初めまして!この作品が大好きです!結婚で騒ぐけどバージンロードきめきめで歩いちゃう悟パパも、なんなら妊娠で絶望するけど孫にデレデレになっちゃう悟じいじも見たいです!!笑 (2021年7月10日 23時) (レス) id: 4643ab1372 (このIDを非表示/違反報告)
朱夏(プロフ) - 初めまして!初めてコンメントさせていただきます!この作品ほんとに大好きで、特に伏黒くんとくっつくところはもう死ぬくらい好きでしょうがないんですよね!だから結婚後まで書いて欲しいです!いくら長くても付き合います!主様が良ければ書いて欲しいです! (2021年7月10日 22時) (レス) id: c2a1b68a40 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 結婚まで続けて欲しいです! (2021年7月10日 22時) (レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
かれ(プロフ) - 初めまして,いつも楽しく拝見させていただいています。個人的にはこのまま伏黒との結婚まで続いてほしいなぁという思いです。作者さんの作品は誰も死んだらしないので悲しむこともなく安心して読めます。これからも無理のない程度に投稿してもらえたら嬉しいです。 (2021年7月10日 22時) (レス) id: 0a939cc9b5 (このIDを非表示/違反報告)
らっかせい - 続いて欲しいですわー!!いつも観てますーー!!お久しぶりですーー!!(語順逆で.すいません) (2021年7月10日 21時) (レス) id: ac50ef14ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年6月12日 2時