最強と娘-7【呪術廻戦】

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次に目が覚めたのはもう夕方にもなる時刻だった。身体を起こすと、デスクに向かってパソコンでなにやら資料をまとめている家入の姿があった。





｢……しょーこちゃん、、？｣

｢ん？……あぁ、起きたか。気分はどう？｣

｢………分かんない。｣

｢………頬、痛くない？顎の辺りとか随分強く掴まれてたけど。｣

｢………分かんない。｣





もう10年以上前、そう、まだ彼女が引き取られてきたばかりの頃。光の宿らぬ位目をして自分に関心のないような、そんな感じだ。

久しぶりに来たその感覚に、ゾワゾワと肌が粟立つ。





｢そ………うか。………今日は仮眠室で一緒に寝ようか。少し様子を見たいし、いいね。｣

｢……うん。｣

｢着替え、明音に持ってきてもらうから。｣





ちょっと待ってて。そう言って、家入は医務室から出た。





｢……はぁ……まぁ、そりゃそうだよな。｣





ショックはそれなりにあると思う。今すぐ、今日中に五条に会わせるわけにはいかない。早足で職員室に向かうと、そこには仕事に全然手が着いていない五条がだだデスクに項垂れている姿があった。





｢おい、五条。｣

｢なーにー……｣

｢A、起きたぞ。｣





ｶﾞﾀｯと音を立てて立ち上がった五条に、でも会えない。と伝えると、またｶﾞｸﾝｯと椅子に座り直した。





｢相当ショックだったんだろうな。随分怯えてた。｣

｢………そう。｣

｢今すぐに会ってまた過呼吸になったらあの子が可哀想だ。ひとまず今日は仮眠室に泊める。一応私も付き添って同じ部屋を使うから安心しろ。会うのは明日以降だ。いいな、絶対だぞ。｣

｢分かってるよ。｣





念を押して家入はまたすぐに医務室に帰っていく。扉を開けると、ベットの上で三角座りをした彼女の姿があった。





｢………A、夜は何食べたい？簡単なものなら作ってあげるよ。｣

｢…………オムライス。｣

｢オムライスか………いいよ、作る。｣





オムライス。五条が初めて彼女に食べさせたのもオムライスだったと話に聞いていた。こんな時でもその思い出の品を選んだ彼女は、やはり五条の事を心から愛しているのだと思う。彼女のその健気な気持ちが家入の胸を締め付ける。

一秒でも早く二人の仲が元に戻って欲しい。家入の今の一番の願いは、きっとそれだ。

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