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「なにかな?」
また、爽やかに笑う。それだよ、それ。そういう所だよ。すぐそばに居た彼らはまた無自覚に女の子を落としにかかる彼女にため息をついた。
「その……凍氷さん、このあと時間とか……」
「……あったら、どうするの?」
「いや、その……で、デート!しませんか……!」
あからさまにモジモジして上目遣い。んー、100点!と言いたいところだが、Aのタイプからは大ハズレ。そもそも結婚してるんだけどな。と、ため息が出そうになる。
「……そう。……悪いけど、僕には旦那がいるからさ。」
「うおっ、!?」
グッと服の襟元を掴まれて引き寄せられ、Aを後ろから抱きしめる形になった夏油。夏油の手を取り、自分の左手と並べて彼女に見せる。
「デートは旦那だけと決めてるんだよ。もしかして、知らなかった?」
「あ、いや……その………」
「まぁ、知っててデートの誘い入れてくるわけないか!ははっ、そんなあからさまに狙ってますよアピールしてくる女なんて、夢見すぎてると思わない?」
「そ、その……」
「僕も女だけど、そんなやっすい恋愛小説みたいな出会いは求めてない………君も、今後情報収集は怠らないようにね。」
そう言って微笑むと、目の前にいた量産型の彼女は涙目で去っていった。
「………Aも大概性格悪いね。」
「なんて?」
「何も言ってません。」
鋭い目を向けられた五条は情けなくもぷいっと顔を背けて俯いた。何年経っても彼女には敵わない。
「………君ってほんといきなり心臓に悪い事するね。」
「A、夏油の嫁じゃなくて私の旦那にならない?」
「ならない。」
「お前に聞いてねぇよ。」
「でも、少しやりすぎたかな?まぁ、泣いてても僕は何もしてないしね。事実を述べただけ。」
「……女って怖いね。」
「私もそう思うよ。」
「あ、何か文句がおありのようだね。今からでも彼女に謝ってデートに行くことはできるんだよ?」
「君ってほんとに可愛らしいね!もう世界一!!」
「手のひら返しやっば。完全に尻に敷かれてるじゃん。」
「そのくらいがちょーどいいって。」
家入は目の前でイチャイチャする二人を眺めて、幸せそうにしてんなぁ〜と少し微笑ましくも思ってしまう。
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moo(プロフ) - まさかの展開に驚きました!幸せ家族で良かったです! (8月9日 3時) (レス) @page46 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…すっごく面白くて、楽しませて貰ってます!!応援してます!!更新頑張って下さい! (2021年3月3日 9時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 多分ですけど上の連中が練習になってます! (2021年2月26日 23時) (レス) id: 46e621c864 (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 花蛸花さん» わざわざありがとうございます!そのお話、楽しみにしてます!! (2021年2月26日 0時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - あの、質問なんですけど、いつ美々子と菜々子を助けたんですか?最新読んで「その話あったかな……?」と思ってしまいまして……夏油さん推しなのでみんなハッピー状態なのがすっごい見てて幸せになりました!! (2021年2月25日 22時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月22日 2時