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｢……やっとだ……｣
｢え？｣
｢プロポーズ………ずっとしたくてね。硝子達と相談してたんだ。｣
｢あ、だから指輪……｣
｢ピッタリだろう？｣
｢……うん。｣
Aは嬉しそうに微笑んで、その指輪を眺める。
｢……ちょっと手貸して。｣
｢ん？あぁ、いいよ。｣
はい、と夏油が手を出すとAはその手を引いて自分の手と並べる。自分のよりも一回りは大きいその指輪。手だって自分よりゴツゴツしていて頼り甲斐のある手だ。
｢……ふふっ。｣
｢…………今日はいつも以上に可愛いね。｣
｢…………え？｣
｢まぁ、私の奥さんは何時でも可愛いけどね。｣
｢お、くさ……｣
｢あれ、違うのかな？｣
違わないよね？と言いたげに覗き込んでくる彼の顔はニヤついていて、思わずムッとする。
｢………意地悪な旦那様だね。｣
｢…………………それいいね。もう一回お願い。｣
｢やだよ。｣
｢ね、もう一回。あなたでもいいよ。｣
｢尚更やだよ。｣
｢言ってくれたら気が済むからさ、ね？｣
これは何を言っても意味が無いな。そう悟ったAは小さくため息をついた。
｢あ……あなた………？｣
｢……………今すぐ帰るよ。｣
｢え、今すぐ？｣
｢今すぐ、寮に、帰るよ。｣
｢あ、はい。え？｣
｢明日には寮を出なきゃいけないからね。学生気分で夫婦仲良くイチャイチャしようじゃないか。ね？｣
｢……いや、ね？じゃないよ！｣
｢はいはい、帰るよ〜｣
｢帰るよじゃな……いや力強っ！｣
こればっかりは嫌な予感がして何とか踏ん張るも、ものすごい力で引きずられてしまう。
｢……あれ、早くね？｣
｢みみななちゃん達今出てったよ。呼ぶ？｣
｢いや、いい。このまま部屋に帰る。今日私たちはこの場に帰ってこなかった。ね？二人とも。｣
｢……あ、はーい。｣
｢悟！助けて！！この男を何とかしてくれ！！｣
｢プロポーズ成功したんだろ？夫婦仲良くイチャコラしてこい。｣
｢頑張ってね〜｣
｢硝子……！？｣
どちらも助ける気は毛頭ない様子で引きずられていくAに呑気に手を振っていた。その晩、"あなた"がよっぽど気に入ったらしい夏油に何度も連呼させられたそうな。
｢……もう二度と言わない。｣
｢…………二度と？｣
｢二度とだよ！｣
｢それは勘弁。｣
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moo(プロフ) - まさかの展開に驚きました！幸せ家族で良かったです！ (8月9日 3時) (
レス) @page46 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…すっごく面白くて、楽しませて貰ってます!!応援してます!!更新頑張って下さい！ (2021年3月3日 9時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 多分ですけど上の連中が練習になってます！ (2021年2月26日 23時) (レス) id: 46e621c864 (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 花蛸花さん» わざわざありがとうございます!そのお話、楽しみにしてます!! (2021年2月26日 0時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - あの、質問なんですけど、いつ美々子と菜々子を助けたんですか?最新読んで「その話あったかな……?」と思ってしまいまして……夏油さん推しなのでみんなハッピー状態なのがすっごい見てて幸せになりました!! (2021年2月25日 22時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年2月22日 2時
