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その声に振り向くと、Aは顔を顰める。





「……禪院直哉……」

「や、Aちゃん!久しぶりやな〜!いつぶり?なんや偉い別嬪さんなってしもて〜!でも男勝りなところは変わりないな、どんな頑張っても男にはなれんで〜?」

「………何故ここに?」

「楽巌寺学長が東京校行く言うから着いてきたんよ〜!お、五条家のボンボン悟くんもおるやん!気づかんやったわ〜」

「……あ?」

「………誰?」

「………禪院次期当主候補の禪院直哉だ。これがまた性格悪くてなぁ。」





直哉に聞こえない程度の声でヒソヒソと話す三人は、目の前にいる彼らの雰囲気に近づきたくないとため息をついた。





「で、Aちゃんそろそろ俺の嫁に来る準備できた?」

「……は?」

「夏油辞めろ。お前まで行ったらややこしくなるから。」

「……まさか、そんなことを言うためにわざわざ東京校に?」

「そんな事って酷いわ〜!俺らの未来の話やん?」

「……残念だけど、僕はもう当主だ。婿も決まってるんでね。」

「当主なんてやめとき〜?女は子供孕んで、次世代に残す優秀な遺伝子を産んどけばええねん。何度も言うてるやろ?Aちゃんと俺やったら、それはそれは強い遺伝子が産まれてくるに決まってるやん?」





そう言うと、直哉はAの腹の下の方をとんっと指で押した。





「……殺す。」

「やめろ、夏油。……"当主様"がお話中だ。」





昭義に止められ夏油は身動きが取れなかった。今すぐにでも殺してやりたいが、それは不可能だ。





「もう一度言う。僕は凍氷家当主だ。僕の目の黒い内は、何人たりとも当主の座を譲らないよ。そう言う遺言なんだ。」

「頑固やな〜!そんなん昭義くんに渡してしまえばええのに………そういや、雅志さん殺したんAちゃんやっけ?」





禪院家。才能が大好きなクズの集まりだ。彼らは彼女の胎を狙っては幾度となく凍氷家に足を運んでおり、それなりに顔を覚えていた。

父は禪院家に嫁がせる気などさらさらなかったようだが。





「だったらなんだい?凍氷家から出た離反者だ。僕が処して当然だろう。」

「女の子なのに頑張るな〜!でも、あの人もほんま大したもんやで。Aちゃん相手に敵うはずもないのになぁ〜……お亡くなりになった誠一郎さん達も、ぞ嘆いておられるやろうて……」





しくしく……とわざとらしく泣き真似をする直哉を前に、彼女の額に青筋が浮かぶ。彼女の静かな怒りほど怖いものは無いと言うのに。

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moo(プロフ) - まさかの展開に驚きました!幸せ家族で良かったです! (8月9日 3時) (レス) @page46 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…すっごく面白くて、楽しませて貰ってます!!応援してます!!更新頑張って下さい! (2021年3月3日 9時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 多分ですけど上の連中が練習になってます! (2021年2月26日 23時) (レス) id: 46e621c864 (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 花蛸花さん» わざわざありがとうございます!そのお話、楽しみにしてます!! (2021年2月26日 0時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - あの、質問なんですけど、いつ美々子と菜々子を助けたんですか?最新読んで「その話あったかな……?」と思ってしまいまして……夏油さん推しなのでみんなハッピー状態なのがすっごい見てて幸せになりました!! (2021年2月25日 22時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月22日 2時

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