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「おはよう!ほら、みんな起きて起きて!甚爾さん!酒瓶を離せ!」
翌朝、昨晩のことが嘘かのように彼女はいつも通りだった。その場で眠ってしまった彼らを叩き起して、甚爾の抱きしめていた酒瓶を取り上げる。
「全く……恵達のところに帰らないと心配するだろうに。」
「……誰のせいだと。」
「あ、兄さんその布団畳んどいて。僕すぐ任務に出るから。」
「……任務!?」
「任務。」
「……昨日の今日でか?」
「上からの命令だからね。仕方ないよ。呪霊は待ってくれないからね。ついでに、昨日の事も直接報告に行くかな。」
「ついて行くか?」
「そこまで子供じゃないよ。これも当主の務めた。あの野暮なジジイのところに顔を出しに行くのは癪だがね。」
あー、やだやだと文句を口にしながら髪を結ぶ。
「にしても邪魔だなこの髪。切るか?」
「え、切るの?やだ。」
「はいはい、切らないよ。」
「唯一見た目で女と判断できるもんなのにさぁ、それ以上男になってどーすんの?」
「なりたくてなってないよ。」
でもまぁ、ある意味なりたくてなってるようなものか……?と考えていると、夏油がポンッと彼女の肩を叩く。
「あまり無茶をしないようにね。」
「誰に言ってるの?まさか……この僕に?」
部屋の隅に立てかけてあった凍薙を手に取り背負った。
「僕が負けるなんて有り得ないね。傷一つ、埃ひとつ付けずに帰ってくるよ。」
「おーおー、余裕なこった。」
(「あんたは家帰れ。今日非番だろう?遊園地にでも連れてって、子供孝行でもするんだね。」
「逆だろ、逆。親孝行させろや。」
「じゃ、僕補助監督待たせてるから。」
いってきまーす。とひらひらと手を振りながら、彼女は部屋を出ていった。
「……笑ってた?」
「及第点かな。」
「昨日の今日で及第点って割といいほうだと思う。」
「てか上層部も休みくらいやれよ。殺すぞ。」
「殺せ殺せ。」
「いや、止めろよ。」
五条に便乗する昭義に冷ややかな目を向けるが、昭義本人は全くもって気にしていない様子だ。
「腐ったミカンの収穫期限はとっくに過ぎてんだよ。」
「そもそも腐ったミカンは収穫隅だろーが。」
「あとは捨てるだけな。」
「それAに悪影響だからAの目の前で同じ話しないでよ?」
「硝子のAへのイメージそろそろ更新してやりなよ。」
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moo(プロフ) - まさかの展開に驚きました!幸せ家族で良かったです! (8月9日 3時) (レス) @page46 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…すっごく面白くて、楽しませて貰ってます!!応援してます!!更新頑張って下さい! (2021年3月3日 9時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 多分ですけど上の連中が練習になってます! (2021年2月26日 23時) (レス) id: 46e621c864 (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 花蛸花さん» わざわざありがとうございます!そのお話、楽しみにしてます!! (2021年2月26日 0時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - あの、質問なんですけど、いつ美々子と菜々子を助けたんですか?最新読んで「その話あったかな……?」と思ってしまいまして……夏油さん推しなのでみんなハッピー状態なのがすっごい見てて幸せになりました!! (2021年2月25日 22時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月22日 2時