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「……雅志は俺より強い。」

「え………?」





突然何の話だ?と困惑する夏油を差し置いて、昭義は話を続けた。





「あいつは術式に恵まれななくてな。だからその分体術と呪具に力を入れた。今の術式が安定したのは……あいつが21の時だったかな。」

「遅咲きですね。」

「あぁ。それで苦労することも多々あった。」





買ったばかりのミネラルウォーターのキャップを開けて、一気に半分を飲み干す彼を横目に、他のみんなの分の飲み物を抱える。





「もしAが術式を使わず戦えば確実にあいつに負ける。……俺も、勝てるか自信が無い。きっと負けるだろう。術式を使えば話は別だけどな。」

「兄弟揃って化け物揃いですね。」

「よく言われるよ。親父もお袋も、そう言ってた。ご近所さんも羨む仲良し美男美女兄妹……すげぇ仲良しだったからなぁ、俺たち………どこで間違えたんだか………俺にもさっぱりだ。まぁ、あいつに会った時にでも聞きゃいい。

夏油、お前は死ぬなよ?あいつの最後の望みだ。」





そう言って、昭義は水を飲み干すとそれを潰してゴミ箱に放り投げるとまた新しいミネラルウォーターを買った。





「……慶彦が死んでからあいつは変わった。まるで別人みたいに。ガキのくせに全部抱え込む。そんなあいつの、最後の望みはお前ら同期だ。」

「……私は死にませんよ。だから、昭義さんも死なないでくださいよ。彼女のたった一人の兄妹なんです。……あなたが居なくなったら、彼女は今度こそどうなるか分からない。」

「……は……当たり前だわ。俺が死ぬことはねぇからお前に忠告してんの。そんな偉そうなこと言う暇あったら、Aより強くなれよ若き特級術師。」

「…………それは自信ない。」

「ちったぁ悔しがれよ、男だろ。」





バシッ!と彼の背中を叩き、ケタケタと笑いながら先を歩いていく。いった……と背中を擦りながらもその後を追うように夏油も歩いた。





「………ありがとな、夏油。」

「……?なんか言いました?」

「いいや?お前の空耳だろ。」

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moo(プロフ) - まさかの展開に驚きました!幸せ家族で良かったです! (8月9日 3時) (レス) @page46 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…すっごく面白くて、楽しませて貰ってます!!応援してます!!更新頑張って下さい! (2021年3月3日 9時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 多分ですけど上の連中が練習になってます! (2021年2月26日 23時) (レス) id: 46e621c864 (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 花蛸花さん» わざわざありがとうございます!そのお話、楽しみにしてます!! (2021年2月26日 0時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - あの、質問なんですけど、いつ美々子と菜々子を助けたんですか?最新読んで「その話あったかな……?」と思ってしまいまして……夏油さん推しなのでみんなハッピー状態なのがすっごい見てて幸せになりました!! (2021年2月25日 22時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月22日 2時

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