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「……辛かったね。」

「……なんで…………なんで、っ……父さんたち……死ぬほど弱くなんか、ないくせに……っ、!」





もし彼女の言う通り雅志が彼らを殺したというのなら、隙をついて殺すことなんて難しい事じゃない。残りの使用人なんて簡単に殺せてしまうから後回しでもいいわけだ。しかし、その理由が分からない。会った時には普通だったし、家族仲も良さそうだったのに。

夏油は彼女の手を引き、ベットに座らせ、その目の前にしゃがみこむ。





「………昭義兄さん……生きてるんだよね………」

「うん、生きてる。明日、会いに行こう。明日になれば目を覚ましてるはずだから。」

「………雅志兄さんは、呪詛師になるのかな、……」

「……そうなるかもね。」

「………………なんで………」

「……………」





その質問には答えられなかった。分からない。それが第一だが、なんて答えたらいいか、声をかけたらいいか分からなかった。正解が見つからない。下手な慰めは彼女を余計に傷つけてしまう。





「今日は、ずっと僕といて………お願い………」

「……大丈夫、私はずっと君のそばに居る。今日はずっと一緒だよ。硝子が帰ってきたら、硝子も呼ぼうか。悟も、すぐ帰ってくるよ。」

「うん……」

「みんなで、一緒に居ようね。」





子供のように、こんなふうに我儘を言う彼女は初めてだった。初めてこんなに我儘を言われた。相当きているに違いない。それもそのはずだろう。大好きな家族が、あんなにも惨い姿になっていたんだ。

せめてもの救いは、昭義が死んでいなかった事だ。





「………寝た………?」





抱きしめて、背中を優しく撫でているといつの間にか眠ってしまったようだ。そのままベットに横にして、夏油はまた頭を撫でる。結局髪の毛乾かさなかったな。コーヒーは……後で処分しよう。





「……写真、綺麗にするか。」





彼女が握りしめていた写真立てを手に取り、血を拭いて中の写真を取り出す。幸い、写真に血はほとんど着いていなかった。





「………なんで、彼女が………」





何故こんなにも苦しまなければならないのか_____

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moo(プロフ) - まさかの展開に驚きました!幸せ家族で良かったです! (8月9日 3時) (レス) @page46 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…すっごく面白くて、楽しませて貰ってます!!応援してます!!更新頑張って下さい! (2021年3月3日 9時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 多分ですけど上の連中が練習になってます! (2021年2月26日 23時) (レス) id: 46e621c864 (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 花蛸花さん» わざわざありがとうございます!そのお話、楽しみにしてます!! (2021年2月26日 0時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - あの、質問なんですけど、いつ美々子と菜々子を助けたんですか?最新読んで「その話あったかな……?」と思ってしまいまして……夏油さん推しなのでみんなハッピー状態なのがすっごい見てて幸せになりました!! (2021年2月25日 22時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月22日 2時

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