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年をまたぎしばらくした頃、五条が反転術式を身につけ、赫を習得した。五条は特級になり、夏油と二人で最強は五条だけになってしまった。
かと、思われた。
「うちの学年から特級が二人も出るとはね。」
「君もすぐ特級になるよ。」
「まさか、私では無理だよ。」
「いいや、なるね。これは確信だよ。」
「なぜ?」
「傑、呪霊を取り込む上限が今のところないだろう?それは、極めて珍しい。」
Aの兄、昭義のように天与呪縛なわけでもなく、ここまで呪霊を上限なく取り込めるのは極めて珍しいものだ。ここまで取り込んでなんの支障もないなんて、今までの歴史上有り得なかった。
「傑には、類稀なる才能がある。」
「ははっ、君がそう言うならそうかもね。」
「実際、僕のところに夜蛾先生が相談に来たよ。君を特級に推薦したいってね。」
「………はっ!?」
聞かされてないぞ!と言いたげの表情で彼女を見れば、彼女はケタケタと笑っていた。笑い事じゃない。
「先生も気づいているんだよ。君は、異端だと。特級にピッタリだ。特級の場合、一級術師からの推薦ではない。一級のさらに上だからね。これらは上層部の判断によるものになる。だから、君の仕事ぶり、異端さ、能力、全てを報告した。」
「……それで?」
「……これ、欲しい?」
[夏油傑に関する重要書類]
そう書かれた書類を、彼女はヒラヒラと夏油の前で見せた。
「……貰おう。」
夏油は彼女から書類を受け取り、丁寧にその封筒を開く。少し緊張しながらも、四つ折りになったその紙を開いた。
[我々上層部は、夏油一級術師の特級への進級を認める。]
最初の文だけ読んで、夏油は大きく息を吐いた。緊張が一気に解ける。
「お断りもできるよ。今以上に辛い任務に当てられたくないのならね。」
「……まさか。受けるよ。……これで、また君に一歩近づけた。」
「なんだ、そんなこと気にしてたの?」
「真剣な事だろう。将来婿に入るんだから。」
「……僕は気にしないのに。どちらかと言えば、また二人で最強が見たくてね。夜蛾先生と頑張っちゃった。」
「……君の期待に添えられるように頑張るよ。」
"二人で最強"が復活した瞬間だった。
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moo(プロフ) - まさかの展開に驚きました!幸せ家族で良かったです! (8月9日 3時) (レス) @page46 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…すっごく面白くて、楽しませて貰ってます!!応援してます!!更新頑張って下さい! (2021年3月3日 9時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 多分ですけど上の連中が練習になってます! (2021年2月26日 23時) (レス) id: 46e621c864 (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 花蛸花さん» わざわざありがとうございます!そのお話、楽しみにしてます!! (2021年2月26日 0時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - あの、質問なんですけど、いつ美々子と菜々子を助けたんですか?最新読んで「その話あったかな……?」と思ってしまいまして……夏油さん推しなのでみんなハッピー状態なのがすっごい見てて幸せになりました!! (2021年2月25日 22時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月22日 2時