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旅館に戻り、お風呂に入って浴衣に着替える。浴衣を着るなら、と家入は彼女の髪をアップにしてお団子にした。
｢今日さらしつけてないんだ。｣
｢うん。せっかくだしね。女の子の気分を味わいたくてさ。｣
｢女の子なのに女の子気分ってなんかあれだな。｣
｢それより、早く行こう。お腹すいた。｣
｢男共もうるさそうだしね。｣
外に出ると、やっぱりふたりは待ちぼうけていた。
｢……おせぇ……｣
｢女の準備は手間がいるって二度も言わすな。｣
｢今度は髪の毛あげたのか……うん、可愛い。写真撮っていい？｣
｢別にいいけど……｣
｢後で送って。｣
｢もちろん。｣
いつもの事だと慣れてしまったAは呆れ顔で写真を撮られている。毎度の事ながら、彼らがなぜ自分の写真を撮りたがるのかは分からない。
｢ピアスも外したのかい？｣
｢まぁ、浴衣だし。｣
｢へぇ……｣
何も着いていないのは新鮮で、特に何も理由なく夏油は彼女のピアスホールを触った。本当に、なんの下心もなかった。ただ何も着いていないのが珍しかっただけ。
｢ひゃっ、！｣
｢………え。｣
彼女の声とは思えない甲高い声に、ピシッと夏油の動きが止まる。
｢あ、いや………｣
｢夏油、Aから離れろ。｣
｢す、すまないA……まさかその……｣
｢ムッツリ野郎、わざとか？｣
｢なわけあるか。｣
｢ゆ、油断してた僕も悪いからその………ごめん。｣
｢いや私がごめん。｣
家入はAを背中に隠して警戒しているが、Aの方が背が高いので全くもって隠しきれていない。
｢くっそ、この前髪野郎。｣
｢ごめんほんとに。｣
｢いいよ、僕気にしてないし……｣
｢こっちが気にするわアホ。｣
｢と、とにかく、ご飯食べに行こ？ね？｣
なんとなく微妙な空気のまま、彼らは食事を済ませるため下に降りる。ビュッフェスタイルのため、好きなものを自分で取りに行かなければならない。
｢さっきの罪滅ぼしとして、私が取ってくるよ。｣
｢ありがとう。｣
｢硝子はAの傍にいてあげて。いつ悪い虫がついてくるか分からないから。｣
｢任せろ。てことで五条、私の頼んだ。｣
｢俺かよ。｣
五条は｢なんで俺が……｣と文句を言いながらも、夏油と一緒に彼女らの分の食事も一緒に取りに行く。
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moo(プロフ) - 面白かったです！ (8月9日 2時) (
レス) @page47 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - これからも、更新頑張ってください！ (2021年2月16日 8時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年2月15日 22時
