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「やっぱり浮き輪……」
「大丈夫、私が手を握っていてあげるから。」
段々と日差しになれてきて、やっと海に入ろう!というところだが、泳げない以前に水が怖いらしい。猫かよ、と五条は大爆笑で、しばらく笑いころげていた。
「氷使いのくせに。」
「それはそれ、これはこれ!!」
「なんで怖いの?」
「……昔、足を滑らせて川に落ちて溺れて以来怖いんだよ。」
「今日は私達もいるから、大丈夫だよ。」
「絶対に手を離さないでよ……!?」
「はいはい。ちゃんと握ってるから。」
彼女の想像より小さく細い手を握り、ゆっくりゆっくりと海に入る。波に揺られてパレオが靡く。気づけばもう腰あたりまで水が来ていた。
「……」
「怖い?」
「……大丈夫……」
「怯えてても可愛いうちの子最強なのでは?」
「当たり前だろ何言ってんだお前。」
彼女のすぐ側で浮き輪に乗りながらそんな呑気な会話をしているが、今彼女はそれにツッコむ余裕すらない。夏油の太く逞しい腕に必死に捕まっていることしか出来ないのだ。
「ほら、もうすぐ肩までつくよ。」
「わっ、!」
ズボッと足が砂にハマり、肩どころか一気に顔まで沈みそうになるが、何とか夏油にしがみつく。
「びっっ……くりしたぁ……」
「…こっちは色んな意味でびっくりしてるよ。」
「は?柔らか。ちゃんと女の子……って、当たり前か。にしても柔らかっっ!!」と心の中がパニック状態。そんな夏油の心を読んだ五条はおい!!と夏油の背後からパシャッと水をかけた。
「このムッツリ野郎。今すぐその邪念はらいやがれ。」
「無理だよ色々やわっこい。」
「いつまで抱きしめてんだ。」
「Aが離してくれないんだ。」
「あ、ごめん。」
「いいんだよいつまででも引っ付いてて。」
「てめぇコラ、ムッツリコラ。」
彼女をキュッと抱きしめれば、その小ささに驚きしかない。細い、折れそう。てか折りそう。どのくらいの力加減で抱きしめればいいのか全く分からない。
「……足ついてる?」
「浮いてる。」
さすがの彼女も足がつかないようだ。それにまたキュンとする。身長が高くて困るなんて大嘘だ。めちゃくちゃ可愛い。と夏油は悶えに悶えまくりだ。
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moo(プロフ) - 面白かったです! (8月9日 2時) (レス) @page47 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - これからも、更新頑張ってください! (2021年2月16日 8時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月15日 22時