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「ただいま。」
「傑!おかえりなさい!……後ろの方は?」
「あれ、言わなかった?会わせたい人がいるって。」
「凍氷Aと申します。」
そう言って、Aは頭を下げる。お淑やかで、優しそうな夏油の母親。優しそうな人でよかったとAは内心ほっとする。
「あら、私てっきり女の子を連れてくると思ったのに……」
「あ、女の子だよ。」
「……え!?」
「あはは…すみません、紛らわしくて。」
「あらヤダ私ったら……ごめんなさいね?」
「いえいえ、自覚していますから。」
「立ち話もなんだし、上がって?」
「失礼します。」と頭を下げ、中に入ると居間へと通される。中に入ると、新聞を読んでいる父親らしき人が目に入る。夏油と同じくガタイがいい。
「あぁ、おかえり。後ろの子が会わせたいっていう……」
「凍氷Aです。あけましておめでとうございます。これ、つまらないものですがよろしかったら頂いてください。」
「あら、良かったのに……って、これ高級店の和菓子じゃない……!?」
A「お口に合えばいいのですが……」
「わざわざ悪いわ……ありがとう、Aちゃん。」
「……ちゃん?」
「Aは女の子だよ。」
「……女の子!?」
予想通りの反応に、Aは苦笑いをする。
「………傑、お前負けてないか?大丈夫か?」
「うるさいよ。」
自覚してるんだやめてくれ、と夏油は悔しそうに眉を顰める。そんな彼に、Aはただ苦笑いをするしかなかった。
「今お茶を淹れるわね。」
「ありがとう。さ、A。こっちに座りなよ。」
「ありがとう。」
夏油が引いてくれた椅子に座り、その隣に夏油が座る。
「Aさんも呪術師なのか?」
「はい。夏油くんと同級生なんです。」
「同級生と思えないくらい強いけどね。私も勝てた試しがないよ。」
「あら、そうなの?」
お茶を目の前に置いた母親に「ありがとうございます。」と頭を下げる。
「華奢なのにすごいだろ?」
「なんと言ったか……等級……と言ったかな。傑と同じくらいなのかい?」
「まさか、特級だよ。」
「……特級がどれだけ凄いかは知らないが、すごいことだけは分かる。」
非術師だとは聞いていたが、随分と詳しい。それだけ子供思いなんだろうなぁと思うと、とても微笑ましくなる。
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moo(プロフ) - 面白かったです! (8月9日 2時) (レス) @page47 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - これからも、更新頑張ってください! (2021年2月16日 8時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月15日 22時