"マトモ"に見えるだけかもしれない。【呪術廻戦】 (ページ37)

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｢点灯までまだ時間もあるけど……どこか行きたいところは？｣

｢ん～そうだね。あ、タピオカ飲みたいな。｣

｢じゃあ買ってくるから待って……｣

夏油はふと思った。今まで彼女を一人にしてナンパに合わなかった事があっただろうか。一度たりともなかった。特に今日はいつも以上に可愛い。これは危険だと判断した夏油はうん。と頷いた。

｢やっぱ一緒に行こうか。｣

｢うん！傑は何を飲むんだい？｣

｢私はミルクコーヒーかな。Aは？｣

｢僕は黒糖ミルクかな。｣

タピオカ屋の前に並んでいる間も、夏油は任務の話、五条がバカをしでかした話など、Aを飽きさせないようにと必死に話す。しかし内心は、この後大丈夫だろうか、と不安でしかない。

｢あ、いいよ私が払うから。｣

｢え、でも……｣

｢いいんだよ。ここは私に花を持たせて。｣

｢……ありがとう。｣

そう言って彼女が財布を引っ込めると、満足そうに代金を支払った。タピオカをもらって、飲みながら街中を歩く。

｢あ、これ美味しい。｣

｢今度は悟と硝子も一緒に飲みに来よう。｣

｢そうだね。あ、そういえば硝子が＿＿＿＿｣

暇があれば硝子の話。夏油も、話す事といえば親友の話や任務の話だ。あとは、個人的に面白かった話など。二人が話す内容は決まっているが、全く退屈しないのだ。

｢足、疲れないかい？｣

｢うん、大丈夫だよ。｣

｢なら良かった。そろそろ点灯時間だよ。｣

ほら、と夏油が指を指した方を見ると、パチッパチッとイルミネーションの明かりが着く。

｢わぁ、凄いね……イルミネーションなんていつぶりかな。｣

｢私も久しぶりに見たよ。｣

｢硝子に送ろう。｣

そう言って、Aはカシャッと写真を撮るとそれを家入に送った。

｢……人が増えてきたね。｣

｢みたいだね……あ、あっちの方空いてるから、あっち行く？｣

｢そうだね。｣

人が増えてきたことにより、人が少なくなっていた公園。遠くの方ではカップルたちがこぞってイルミネーションの前で写真を撮ったり盛り上がっている中、静かな公園のベンチに座って、2人はイルミネーションを眺めた。