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「それで、理子ちゃん。君は何故ここに?」
甚爾が去った後、携帯を仕舞いながら天内にそう訊ねた。
「……わ、私は、もっと皆と一緒にいたい。色んなところに行って、色んなものを見たい。……黒井とも沢山話したい……友達と、沢山遊んで、普通らしいこともしたい……!…………だから………同化を拒んだ。」
「……なるほど。だから今君はここに姿形そのままにいる訳だね。」
「……A、したくないならしなくてもいいと進めたのは私たちだ。」
A「うん。だろうね。」
Aは天内にゆっくりと近づく。天内はビクッと体を震わせる。夏油達もさすがにやばいかもしれない、と息を飲んだ。
しかし、やはり彼女だ。
「……僕も、それがいいと思うよ。」
優しく微笑み、彼女の頭を優しく撫でた。まさかそんな優しい手つきで頭を撫でられると思っていなかった天内は拍子抜けしたような声を出してしまう。
「……え……?」
「君が同化したくないならしなくていいさ。大丈夫、天元様の怒りを買ったら、僕らがなんとかするさ。こう見えても僕、すごく強いんだよ?なんたって1000年に一度の逸材だからね!」
ふふっ、と彼女は笑った。なんだ、なんの心配も要らないじゃないか。その様子を見ていた彼らは、肩の力を抜かせる。
「今日までよく耐えてきた。君は偉い。でもそれも今日でおしまい………お疲れ様、理子ちゃん。」
Aの言葉に、ポロポロと涙を零す天内。
「あぁ、泣かせるつもり無かったんだけど………どこか痛い?」
「い、たくないっ……でも、、涙、止まらなくて……っ、!」
「ふむ……なら気晴らしに行こう!」
「うへっ!?!?」
彼女の膝に腕を回し、ヒョイッと彼女を抱えてしまう。なんとも絵になる。
「ショッピングにでも行こう!君の機嫌が治るまで、いつまでも付き合ってあげる。好きな物、僕が全部買ってあげるよお姫様。」
「……お主ら男のくせに負けておるぞ。なんじゃこのイケメンは。女かほんとに?????」
「今痛感してるから黙ってて……」
「うちの子があんなにもかっこいい……」
「黒井さん、あなたも。」
「……え?」
「心配で胸がはち切れそうだったでしょう。今日は、その気晴らしをしましょう!大丈夫、さっきも言ったように、お金は腐るほどありますから。」
そう言って笑う彼女に、黒井は目をぱちくりとさせた。
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moo(プロフ) - 面白かったです! (8月9日 2時) (レス) @page47 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - これからも、更新頑張ってください! (2021年2月16日 8時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月15日 22時