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護衛3日目[同化当日]
都立呪術高専 莚山麓
15:00
[天内理子 懸賞金取り下げから4時間]
「みんなお疲れ様。高専の結界内だ。」
「これで一安心じゃな!!」
「……ですね。」
「……」
「悟、本当にお疲れ。」
「二度とごめんだ。ガキのお守りは。」
そう言って五条が術式を解くと同時にトスッと刀が突き刺さる。時が止まったような気がした。本当に止まっていないのだから、気がしただけ。
そんなの当たり前だ。だってここは高専結界の内側なのだから。
「アンタ、どっかで会ったか?」
「気にすんな。俺も苦手だ。男の名前覚えんのは。」
そう言って男が刀を抜くのと同時に、その男の体が吹っ飛んだ。
「やれやれ……急いで来てよかった……大丈夫かい?」
「A……!?」
その男を蹴り飛ばしたのは、つい先程まで電話をしていたAだった。
「いやぁ、走ってきちゃった。悟……は大丈夫そう?」
「問題ない。術式は間に合わなかったけど内蔵は避けたし、その後呪力で強化して刃をどこにも引かせなかった。」
「それは何より!……さて……お久しぶりですね、甚爾さん。」
吹っ飛ばされた彼に、Aはにっこりとほほ笑みかける。
「くっ……ははっ……さすがは凍氷家の跡継ぎ。気配が全くわかんなかったぜ。……でかくなったなぁ、別嬪さん?」
「お褒めの言葉、感謝するよ。」
「……お前、なんだその気持ちわりぃ話し方。慶彦の真似か?」
「あははっ、酷いなぁ、甚爾さん。あくまでも紳士的に、優雅にだよ。ただ僕は、少しばかり成長しただけだよ。」
「俺は前のガキみてぇなお前のが好きだな。」
「そりゃどうも。」
いかにも親しげ、と言った様子の二人に周りは困惑していた。
ところで甚爾さん。あなたの狙いは彼女の懸賞金……だよね?」
「…あぁ?」
「彼女、僕が買うよ。」
「……はぁ!?」
天内が驚愕の声を上げる中で、Aは懐からカードを出した。所謂ブラックカードだ。
「……はっ、そんなガキが趣味なのか?」
A「まさか。甚爾さんと戦わない最善の方法だよ。倍額?それとも、2倍?いや……言い値で買おう!さぁ、1億でも2億でも払おうじゃないか!」
「甚爾さんは、いくらお望み?」そう彼女が訊ねると、甚爾はふっと口角を上げた。
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moo(プロフ) - 面白かったです! (8月9日 2時) (レス) @page47 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - これからも、更新頑張ってください! (2021年2月16日 8時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月15日 22時