前髪と息子~番外編~【呪術廻戦】

・親子共闘【16】 ページ3

ガサガサと木々が揺れ、その奥から耳を塞ぎたくなるような悲鳴が聞こえてくる。しかしそれももう聞きなれたものだ。





｢お、やったかな？｣





こちらも負けていられないね。そう呟いて夏油は小さく笑った。息子が高専に入学して数ヶ月が経つが、うちの子は凄いだろうと自慢したくなるほどの実力がある。父としてはものすごく鼻が高いが、術師として見ればまだまだ未熟な部分もある。そう思ってしまうのは、やはり長年術師をやっているからこそだろうか。

そんなことを考えながら目の前の呪霊を祓おうとしていると、ｶﾞｻｯと後ろから何かが飛び出してきた。一級程度の呪霊だろうか。目の前に集中しすぎて反応が遅れた。まぁ、なんの問題もない訳だが。しかし、夏油が祓うよりも先にその呪霊の身体が歪んだ。





｢ちょこまかと面倒な呪霊だな…｣





随分とおもたそうなそれを肩に担ぎため息を着くと、小さな玉に変化したその呪霊を飲み込んだ。





｢油断して取り損ねたの間違えじゃないのかい？｣

｢そっちだって油断してただろう？｣

｢ははっ、バレたか。これでもう終わりだよ。任務完了。｣





先程聞こえたものと同じような悲鳴と共に帳が上がった。





｢お疲れ様。お手柄だね、一級二体と二級三体。｣

｢この位なんてことないだろう？｣

｢そうかもね。ただ、もう少し周りを警戒するのも大事だよ。｣

｢父さんが言うの、それ。｣

｢私は大人だからね。｣





理由になってないだろ、そう言いたげな顔をして彼はため息をついた。

術師として未熟だと思っていたが、また随分と成長しているな。今回の任務で改めてそう思った。さすがは私の息子だと自慢したくなるほどだ。





｢どこかご飯でも行くかい？｣

｢行かない。｣

｢冷たいな。｣


✄−−−−−−ｷﾘﾄﾘ−−−−−−✄

【ｼｮｺﾞﾏﾙさんリクエスト】
夏油親子での共闘。

【Makua*ぼっちさんリクエスト】
息子が夏油と共闘する話。




書いた後に共闘とは…？ってなりました()

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