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「おやおや、随分と綺麗にしてもらって帰って来たねぇ!どうだい、私と心中でも。」

「お断りします。」





振袖姿で事務所に入ってきたAに、仕事をしていた面々は釘付けだった。いつもスーツか制服で、私服は初対面の時以来見ていなかったので、その美しい振袖を身に纏った姿は新鮮だった。





「Aさん、とってもお似合いですわ!」

「それ、自前かい?」

「いいえ。ポートマフィアのお嬢さんが私のことを気に入ったようで、これはそのお嬢さんが私をお茶会に招待すると言い出した後に急遽買い揃えたそうです。幹部の尾崎さんから。」

「へぇ、姐さんが……」





「確かに姐さんの趣味だ」と袖を持ち上げながら太宰が言った。太宰の手から袖を引き抜き、Aは泉の元へと向かった。泉は首を傾げている。





「……なに?」

「此方、尾崎さんから貴方宛てです。」





ちょいちょいとAは手招きをして、泉を連れてソファーに座る。泉は彼女の隣にちょこんと座った。その様子を見ていると、まるで姉妹のように見える。





「此方は今私が付けているものと同じ簪だそうです。こっちは私と揃いの着物。此方は私のだそうです。」

「随分と豪華なお土産だねぇ。Aちゃん着付けは?できるの?」

「まぁ、一応。」





泉は木箱を受け取った後、簪から開封していく。中には、赤色の簪が入っていた。着物の方には、同じ色の着物が。Aも同じように木箱を開ける。中には、薄緑色の着物が入っていた。





「今度、これを着て出掛けてみましょうか。」





Aがにこりと笑顔を浮かべてそう言った。泉はぱちぱちと瞬きをする。本心で無さそうな笑顔だと思った。行きたい、と言うより、言われたから行く、という感じの。黙ったまま見詰めてくる泉に「どうしました?」とAが首を傾げる。「なんでもない」と首を横に振った。





「お出掛け、行きたい。」

「それは良かった。」





Aはそう言いながら、木箱に蓋をする。ふと、泉が尋ねた。





「何も聞かないの。」





泉の問いの意図が掴めず、Aは首を傾げた。

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眠いちゃん - 続き楽しみにしてます! (2023年3月3日 14時) (レス) id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白いです!続き待ってます! (2023年2月3日 5時) (レス) id: 846f3d2d4a (このIDを非表示/違反報告)
- とても話がわかりやすく面白いです!!続き待ってます!! (2023年1月7日 23時) (レス) @page28 id: d9cbcf96d1 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 面白いです‼︎応援してます (2022年12月27日 15時) (レス) @page28 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年5月29日 16時

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