前髪と息子-4【呪術廻戦】

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｢げとーせんぱーーーい！！お疲れ様です！！｣

｢はい、おつかれ。元気なのはいいけどストレッチ中に走り出すとああいうことになるから気をつけな、本堂。｣

｢あ、やべ。｣





本堂と呼ばれた生徒の後方には、背中合わせになっていたはずの同級生が頭から思いっきり転んでしまっている様子だった。





｢おい本堂！！！お前は毎度毎度！！！｣

｢ごめんって林藤！！｣





彼らは一つ下の後輩の本堂颯斗(ほんどうりくと)と林藤楓馬(りんどうふうま)。同じようで全く違うタイプのふたりだが、タッグを組ませればとても心強い味方になる。





｢夏油先輩お疲れ様でーす！｣

｢おつかれ鞠愛ちゃん。今日も可愛いね。｣

｢んもぉ、そんなに褒めても何も出ないですよ！｣





そう言って肩を叩くのは夕霧鞠愛(ゆうぎりまりあ)。一年生唯一の女子生徒で、可愛らしい容姿に女の子らしいものが大好きという典型的な乙女であるが、やはり女。気が強く、男二人を振り回すのだ。

そんな彼女らに遠くの方から声をかけたのは幸慶達だ。





｢お前らいつまでストレッチやってんだー！さっさと終わらせー！｣

｢いいじゃないかストレッチくらい。ゆっくりやらせてあげな。｣

｢鞠愛〜さっさと終わらせるよ〜戻ってこーい。｣

｢ストレッチ終わらせたら外周だよ。今日は20周目指そうか。｣

｢まじ！？そんな走れる！？｣

｢ばか、やるんだよ。｣

｢鞠愛できなぁ〜い♡｣

｢ぶりっ子しても減らさないよ。｣

｢ちぇっ………｣





Aは軽くストレッチをしながら実幸とノルマについて話をする。実幸は外周はしないものの、訓練には一応参加だ。そのため、外周中のタイムは全て実幸が計ることになっている。





｢いちについて。よーい、スタート！｣

｢今日こそ夏油先輩に勝つぞ！｣

｢負けませんよ、先輩！｣

｢ははっ、それは楽しみだ。｣





こんな会話、毎回やってる気がするな。そう思ってはいたが、何も言わないことにした。意気込みがあるのはいいことだが、あの二人は初っ端飛ばす癖がある。





｢はい、20周。一番かな。……二人ともー！まだ6周も行けてないよー！｣

｢まじ、むり…っ、｣

｢と、とば、………とばしすぎた、、、！｣

｢…あの二人、いつもああじゃない？｣

｢まぁ、いいんじゃない？仲が良くて。｣





Aは苦笑いをしながら、ボードに自分のタイムを書き込んだ。

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