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「あれ、真希寝たの?」

「うん。疲れてたみたい。」





医務室に戻ると先程まで彼が寝ていたベットには真希がいた。まだぼやけるのか、それに対し違和感しかないようで彼は目を擦っている。





「あんまり触るなよ?」

「分かってるよ。」

「もう起きてていいのかい。」

「あぁ、もう大丈夫だよ。少し頭が痛いけど…まぁ、偏頭痛みたいなものだね。」

「今日一日は安静だからね。」





年を押されたAは、はいと小さく返事をした。





「…A。」

「ん?」

「…………その、」

「………術師なら辞めないよ。」

「……………」

「……何年もこんななんだから、今更普通の暮らしなんて出来ないよ。

あ、硝子ちゃん私のタバコ知らない?」

「処分した。」

「なんつーことを。」





まぁ、部屋にストックあるんだけどね。そう言ったAに、家入はため息をついた。あまり強く言えないのは、自分が同じ立場だったからだろう。





「………いいのか。その眼に今後も苦しめられることになる。」

「承知の上だよ。それに、私にはやらなければならない事もある。家族や真希ちゃんだけを危険な任務に送り出して、自分一人が家で大人しく待つなんてこと、私が出来ると思うかい?」

「………いいや、お前はそんな専業主夫みたいな大人しい奴じゃない。それは父親の私がよく知ってるよ。」

「ならこの話は終わりだね。」





悩んでいた自分が馬鹿らしく思えてきた。そうだ、こういうやつだ。ちょっとやそっと命が危険に晒されたからといってめげる男ではない。

でも、心のどこかに不安と恐怖があることも知っている。それを隠してでも術師でいたい。そんな息子を止めることは、父である夏油には出来なかった。





「さて、そろそろ視界も良くなってきた。幸慶達に礼でも言いに行こうかな。」

「制服、クリーニングに出したから予備のやつ寮まで取りに行けよ。」

「わかった。じゃあね、ゆっくりおやすみ。」





ぽんぽん、と真希の頭を撫でてからAはグッと背伸びをしながら立ち上がると、そのまま医務室を出た。





「……起きてるの分かってていいやがったなあいつ。」

「随分愛されてるみたいだよ。」

「嫁にする気満々。任務前には見送ってくれるってさ。」

「……うるせ、」





そう言って、彼女は赤くなった顔を隠すように頭から布団を被った。

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魔灯 - 任務代わってくれる棘君優しいな 真希ちゃんと夢主君幸せになってくれー! (2021年9月5日 17時) (レス) id: 43f1bbcd44 (このIDを非表示/違反報告)
魔朝@Bsc(プロフ) - 幸穂ちゃんマジかぁ.............実幸ちゃん達も辛いやろなぁ..........夢主くんがこの一件をきっかけに大量虐殺とかおかさなきゃいいけど......とめて夏油さん!! (2021年6月22日 20時) (レス) id: 9bfc59222b (このIDを非表示/違反報告)
都和(プロフ) - ここで辛い展開やってくると思わなかった、、、頑張れ息子くん! (2021年6月22日 15時) (レス) id: a33a5cff70 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 真希ちゃんが男前過ぎて……(泣)逆にかっこいい (2021年6月18日 16時) (レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ついに息子くんと真希ちゃんがッ!!!!!!!!嬉しい!!幸せ!!トキメキと癒しをありがとうございます!!今夜はお赤飯でお祝いしようと思います!!!!!!笑 (2021年6月9日 18時) (レス) id: addf3f5d58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年6月6日 1時

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