前髪と息子-4【呪術廻戦】

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｢なぁるほどね……｣

｢……そういう所ばっかりパパに似てるね。｣

｢もう1人いるじゃん。悪影響(五条悟)が。｣





五条に限った話でもない。彼の周りには女にだらしない男が少なからずいる。その中でも切実で真面目な男もいるというのに、なぜそっちに似てしまったのか。やはり血筋だろうか。





｢なんというか……別に付き合ってもないのにキレてんのは違うなって言うか……まぁ、そんだけだ。｣

｢なぁ〜る。｣

｢…真希、ちょっとまっててね。｣

｢……？あぁ。｣





美々子はその場に真希を残し、菜々子の手を引いて少し離れる。





｢ねぇ、Aって真希のこと好きなんだよね…？｣

｢あれどう見てもそうでしょ。つーか、お互いわかってるんじゃ無かったの？あの2人の雰囲気ちょー良かったじゃん。｣

｢私、Aのことは大好きだけど時々何考えてるのか分かんない。｣

｢私もわかんね。｣





二人は小さくため息を着くと、また元の位置に戻り、もう一度ため息をついた。





｢な、なんか………そっちはそっちで大変そうだな。｣

｢…まぁ…｣

｢………でもさぁ、それに関しては真希が気にすることないよ。嫌なら嫌でいいと思う。てかふつーに考えて好きな人がほかの女とワンナイトラブとか嫌すぎでしょ。思わせぶりな態度取ってたんだとしたらそれはキレていい。｣

｢私もそう思う。｣

｢嫌ならいや、辞めて欲しいなら辞めてっていえば？真希が言えば辞めると思う。｣

｢…付き合ってもないのに止める権利ないだろ。｣

｢いいや、ある。真希にはある。｣

｢なんなら真希以外の女に言われた方がキレる。｣

｢その女の命危うい。｣





そこまでしないだろ。そう思ったが、今のふたりにそんなこと言っても納得するはずも無さそうだ。





｢とにかくさぁ、嫌なら嫌って言ってきなよ。じゃないとずっと苦しいままだよ？｣

｢………まぁ、…………｣

｢行っておいでよ。｣





真希はしばらく考えた後、椅子から飛び降りて走り出す。





｢Aにも困るけど、真希にも困ったもんだよね。｣

｢真希のことあんな風に出来るのなんてAくらいのもんでしょ。｣

｢言えてる。｣

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