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結局、話を聞いたのはその学校だけだった。設備もちゃんとしていたし、オーディションの回数も他の専門学校に比べて多く、合格率も高い。演技指導の講師もそれなりに有名所だった。
適当な言葉をプリントに書いて提出し、渡達の誘いを断ってまっすぐ家に帰る。家の前に立ち、鍵を取り出そうとカバンの中を覗き込めば、説明会で貰ったパンフレットが目に入る。途中で捨てる予定だったそれを見て、小さくため息をついた。
まぁ、家で捨てればいいし。鍵を鍵穴に差し込んでそれを回す。
｢ただいまー｣
｢おっかえり〜！｣
玄関先からひょっこりと顔を出したのは珍しく非番だった五条。こんな日に限って非番。なんとも間の悪い男だ。
｢手、洗っといで〜！おやつたーべよ♡｣
｢はーい。｣
彼女は言われた通り手を洗って、五条が買ってきてくれたケーキを二人で食べる。食べ終わった食器を洗っていると、五条があ、と声を漏らす。
｢今日のお弁当どうだった？｣
｢んー？美味しかったよ〜…あ、お弁当箱出してない。｣
｢いーよ、僕取ったげる。｣
｢ん。｣
その時、彼女は忘れていた。まだあのカバンの中にはパンフレットが入ったままだった。それに気づいた頃にはもう遅かった。
｢ん？なにこれ？｣
｢……あ。｣
｢……？専門学校のパンフレット？｣
｢……うん。今日進路相談会に行ってきたから。プリントに説明を聞いた学校の名前とか書かなきゃいけなかったからとりあえずで聞いて貰ってきたやつ。｣
｢ふーん……｣
不自然なくらい早口で饒舌になる彼女を不審に思いながら、五条はキッチンにいる彼女に弁当箱を渡したあとソファーでそのパンフレットを開く。
声優、ダンス、ボーカル、イラスト、音響、様々な分野がある中でも、やはり目に止まるのは俳優科だった。実の娘がミュージカルが大好きなんてことは知っていて当然のことで、キラキラと瞳を輝かせて舞台を見つめ、少なくともその世界に憧れを抱いている事にも何となく気づいていた。
｢(そっか、だからか……)｣
あの時彼女が不審な言動をしたのにも頷ける。五条はちょうど食器を洗い終えた彼女を呼んで、そのパンフレットを閉じた。
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ik13ttm(プロフ) - はじめまして！前髪・医者シリーズ共に全て読ませてもらってます！突然なんですが娘ちゃんが幼稚園生の時の担任の如月先生が好きで…！娘ちゃんが久しぶりに先生に会うお話とか読んでみたいです！ (2021年7月8日 23時) (
レス) id: a5a5b9bef4 (このIDを非表示/違反報告)
Ami - リクエスト大丈夫でしょうか？16歳になった娘と渡と徹が最強と娘3で出てきたいじめっ子と任務先で再会してその場に1級呪霊が3匹くらい現れていじめっ子が襲われて助けて和解する物語が読みたいです！ (2021年7月8日 16時) (レス) id: 240f4dcf86 (このIDを非表示/違反報告)
ネココ - 一年組＋五条でお願いします…失礼しました！ (2021年6月28日 17時) (レス) id: d9dbb0348a (このIDを非表示/違反報告)
ネココ - リクエスト失礼します！一年組とお買い物に行って、伏黒、五条が嫉妬しちゃう姿が見たいです！よろしくお願いします！ (2021年6月28日 17時) (レス) id: d9dbb0348a (このIDを非表示/違反報告)
アメリ(プロフ) - リクエストです！娘ちゃんの幼少期の話をたくさん観たいです！五条が娘にメロメロな所をもっと観たいです！ (2021年6月18日 22時) (レス) id: 617cf85c87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年6月2日 0時
