・父の日【17】 ページ32
あっちに行ってもこっちに行っても、父の日、父の日、父の日。父の日といえば、父親に日頃の感謝を伝えるための日。ネクタイ、ハンカチ、その他男性の喜びそうな物がズラッと並んでいる訳だ。
毎年娘のAからもプレゼントを貰っていた。初めての父の日は子供らしく絵を、次の年には手紙を。それらは全て五条の宝物として保管されている。今年は何かな〜と思っていたが、彼女に任務が入っていたのを思い出して小さくため息をついた。
｢今年は会えなかったな〜｣
マンションのオートロックを解除しながら五条はそう呟いた。遅くても明日、そもそもなにか貰えるかどうかも怪しいわけだが。
小さくため息をついて鍵を差し込む。しかし、ドアノブをまわしても玄関が開く様子はない。
｢あれ…鍵閉め忘れた？｣
不思議に思いながら玄関を開けると、そこには小さな女物のハイヒールが綺麗に揃えられていた。もしかして……そう思い、急いで靴を脱いでリビングに走った。
｢おかえり〜｣
｢……え、なんでいんの！？｣
｢だって今日父の日だもん。｣
当たり前だろ、と言いたげな顔をして五条を見たあと、ピンク色のシンプルなエプロンをつけた彼女は鍋の中にある味噌汁を味見した。
｢うん、いい感じ。お風呂はいってくれば？沸いてるよ。｣
｢あ、う、うん………｣
五条は未だに状況を理解出来ないまま、着替えを持ってお風呂場に向かう。ぼーっとしたまま湯船に浸かっていると、だんだん嬉しくなって顔がニヤけてしまう。ニヤける口元を隠すようにして両手で覆うも、全く隠せていない。
その勢いのままお風呂をあがって、適当に体を拭くとタオルを腰に巻くだけの状態でリビングに走った。
｢ちょっと服！！｣
｢A〜〜！！｣
｢うわ、！｣
ドンッと勢いよくAに抱きつくと、濡れた髪のままぐりぐりと頭を擦り寄せる。
｢ありがとう〜！Aはやっぱり、僕の自慢の娘だね♡｣
｢もー、分かったから。早く着替えて来て。ご飯できたよ。｣
｢はいはーい。あ、今日一緒に寝よーね♡｣
｢はいはい。｣
呆れ顔の彼女は炊飯器の蓋を開けると、五条の茶碗にご飯をよそう。正直ここまで喜んでくれると思わなくて、プレゼント渡したら発狂して倒れてしまうんじゃないかと不安になる。
でも、それが父らしいな、と思わず笑みがこぼれた。
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ik13ttm(プロフ) - はじめまして！前髪・医者シリーズ共に全て読ませてもらってます！突然なんですが娘ちゃんが幼稚園生の時の担任の如月先生が好きで…！娘ちゃんが久しぶりに先生に会うお話とか読んでみたいです！ (2021年7月8日 23時) (
レス) id: a5a5b9bef4 (このIDを非表示/違反報告)
Ami - リクエスト大丈夫でしょうか？16歳になった娘と渡と徹が最強と娘3で出てきたいじめっ子と任務先で再会してその場に1級呪霊が3匹くらい現れていじめっ子が襲われて助けて和解する物語が読みたいです！ (2021年7月8日 16時) (レス) id: 240f4dcf86 (このIDを非表示/違反報告)
ネココ - 一年組＋五条でお願いします…失礼しました！ (2021年6月28日 17時) (レス) id: d9dbb0348a (このIDを非表示/違反報告)
ネココ - リクエスト失礼します！一年組とお買い物に行って、伏黒、五条が嫉妬しちゃう姿が見たいです！よろしくお願いします！ (2021年6月28日 17時) (レス) id: d9dbb0348a (このIDを非表示/違反報告)
アメリ(プロフ) - リクエストです！娘ちゃんの幼少期の話をたくさん観たいです！五条が娘にメロメロな所をもっと観たいです！ (2021年6月18日 22時) (レス) id: 617cf85c87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年6月2日 0時
