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「1週間お世話になりました。」
大きな荷物を肩からかけて、玄関先で2人に頭を下げる。
「またいつでも息抜きしにおいで。」
「コロッケの準備して待ってるわ。次は美々子と菜々子と、傑も一緒にいらっしゃいね。」
「うん、ありがとう。」
「……頑張れよ〜!お前はまだ若い!」
「わっ…!」
聡はぐしゃぐしゃと頭を撫でると、満足そうに笑って今度は肩をぽんぽんっ、と叩いた。
「…辛くなったら周りを頼りなさい。お前は仲間に恵まれてるはずだよ。」
「…………うん。」
「じいちゃん達はお前の味方だ。」
「……………ありがとう。」
「身体は大事にしなさいね。暖かくして眠るのよ?」
「ふふ、うん。おばあちゃんもおじいちゃんも、身体に気をつけて。体調に異変が起きたら連絡してよ。呪霊の仕業かもしれない。」
「それは直ぐに連絡しないとな。」
そんな話をしていると、車のクラクションの音がする。
「こんにちはー!お父さんたちお久しぶりです〜」
「あぁ、悟くん!久しぶりだね、元気そうでなによりだよ。」
「あら、傑は?」
「急に任務が入ったらしくて、僕が変わりに来たんですよ。ちょーど暇な時間だったんで。」
「ありがとう悟くん。」
「A〜!久しぶり〜♡ちょっと男前になった?惚れちゃーう♡」
「一週間ちょっとで変わるわけないだろ。…じゃあ、そろそろ行くよ。この後任務入ってるんだ。」
「あぁ、頑張れ。」
「たまには連絡してね。」
「うん。」
二人に軽く手を振り、後部座席に荷物を置いて助手席に乗り込んだ。車が見えなくなるまで手を振る祖父母の様子は、バックミラーからしっかりと見ていた。
「…良かったの?戻ってきて。傑は多分、おじーちゃんたちの所で暮らしてもいいよって意味でAと話してたと思うんだけど。分かってた?」
「……分かってたよ。普通の暮らしは私には合わないんだ。もう術師としての生活が身体に刻まれてるからね。要は呪われてるんだよ。」
「ははっ、呪いかぁ……お前も気の毒なやつだね。」
「悟くん程じゃないよ。」
「……でもまぁ、最後に会った時よりスッキリした顔してるね。これでまた頑張れそう?」
「………うん。」
そう頷いた彼を見て、五条は小さく笑った。
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零落(プロフ) - 久々に占ツクに戻ってきたら超良作に出会って、一気に最新話まで読んでしまいました。話の途中で何度も笑ってしまったり、感動したり…もう最高です!素敵な作品をありがとうございます。これからも更新楽しみにしております。 (2021年6月4日 6時) (レス) id: 35493f6139 (このIDを非表示/違反報告)
方言男子 - やべ、性癖に刺さった (2021年5月26日 18時) (レス) id: b75236f17d (このIDを非表示/違反報告)
海洋生物(プロフ) - 続編おめでとうございます!成長した夢主くんかっけぇ!あと面白い!これからも頑張ってください! (2021年5月25日 7時) (レス) id: c21e60aa61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年5月25日 5時