名ばかりの王姪殿下【ツイステ】

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学園ではもう既にマジフト大会の話で大盛り上がりだ。サバナクローでも、毎日練習が行われている。





｢なぁ、寮長めっちゃ強くねぇ？｣
｢前の寮長よりも何倍もつぇーぜ！｣





Aの放棄の乗り方やプレーの仕方にサバナクロー生達のAに対する尊敬度は高まっていく。そして、体を動かすのが大好きなAのやる気度も何時になく高まる。

そのためいつもより大人しい。





｢最近問題起こってないじゃん。偉いね〜？｣

｢いっつも面倒事起こしてる訳じゃないでしょ。｣

｢割と頻繁に起きてますけどね。｣

｢もうすぐマジフト大会ですしね。あなたが大人しいのも頷けますよ。｣





マジフト大会は生徒全員が大人しくなってしまう期間。特に喧嘩が無くなった。サバナクロー生が特に大人しいため、この時期の学園は実に平和である。





｢シクリッドちゃん箒乗るの上手いしね〜｣

｢乗り方、お父さんをそっくりそのまま移したみたいな乗り方してますけどね。｣

｢ジェイドさんはなに？貶してんの？｣

｢いえまさかそんな。｣

｢あなたといい、レオナさんといい、マリアさんといい、何故あんなに高く飛べるのか理解し難いですね。｣

｢下手くそだもんね。特にアズールさんとジェイドさん。｣





Aの言葉に、2人はピシッと固まると、フロイドは大爆笑で机をバンバンと殴り始める。





｢だからってフロイドさんが上手いとかではないんだけど。｣

｢え。｣





大笑いしていたフロイドもこれにはショックなよう。確かに在学当時よりかは3人とも成長したと思う。しかしその成長具合といえば1年生の授業内容が2年生の授業内容に変わったね！くらいの成長だろう。





｢……何も言い返せねぇ。｣

｢心が痛いって言ってます……｣

｢無念……っ！｣

｢ねぇもう帰っていい？｣






これでもかと言うほどダメージを受けてしまった3人を前に、Aはまたため息をもらす。最近はため息をついてばかりだ。

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