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｢寮長！｣
｢寮長！はよっす！｣
｢朝から元気だね。｣
Aが寮長になれば寮生たちは手のひらを返すようにAに頭を下げる。無理もない。前寮長がどれだけ実力のない男でも、3年生の彼に勝ち、そして今いる寮長の中でも最年少だ。
しかし、Aはそれが気に入らない。
｢おめーなんでそんな機嫌わりーんだ？｣
｢さぁ、なんでだと思う？｣
｢そんなの知らね……って撫でるな！｣
Aはサボるため裏庭にいると、そこにユウとグリムがやってきた。Aは膝の上にグリムを座らせ、耳や体をもふもふと撫でると、グリムは嫌がるが満更でも無さそうだ。
｢でも、ほんとにどうしたの？｣
｢別に。ただ、女だからって見下してたくせに、強いとわかった瞬間頭を下げる奴らに嫌気がさしてるだけ。｣
｢あははっ、それだけAちゃんが強いってことだよ。｣
｢それが気に入らない。強いと思うものに頭を下げるくせに、いなくなったら批判するものに加担するんだから。｣
お転婆で王族の娘とは言い難いとされていた彼女は王宮で同じような状態だった。
"｢王姪殿下、おはようございます。｣
｢おはようございます、王姪殿下。本日は＿＿＿｣
｢あの方のお世話も楽じゃないわ…奥様と比べて手がかかるし……奥様が同じくらいの歳の頃は全く手がかからなくて……｣
｢あのお転婆っぷり何とかならないかしら……王家の血族にある者として自覚を持ってもらわないと……｣
｢ほんと、"名ばかり"だわ。｣
｢シッ、聞こえるわよ。｣"
ペコペコ頭を下げるくせに、影では名ばかり王姪殿下だと見下す使用人が心底嫌いだった。
｢少しは退屈しないかなと思ってこの学園に来たけど、言うほど楽しくなかった。｣
｢そう？｣
｢そう。｣
｢お友達が出来れば楽しくなるよ！｣
｢オトモダチねぇ。｣
お友達というものに興味のない彼女は、心底どうでも良さそうだった。近づくもの全員が自分の地位を目当てにしている事くらい分かっているからだ。
仕事に行くからと校舎内にユウ達が戻ると、Aはベンチに項垂れる。
｢あー……楽しくない。｣
Aの独り言は、雲ひとつない青い空に溶けるように消えていった。
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パンの耳だけ捨てました - 一気読みしてしまいました！ほかの作品も見てみようと思います。てかストーリー作り上手すぎないですか...！ (2021年10月2日 11時) (
レス) @page31 id: 3542138bb7 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - めっちゃ良い作品！！作者なんていう人だろ！！って調べたら花蛸花さんだった………ていうことが最近頻発してます（笑）花蛸花のペースで、更新頑張ってください。他の作品も応援しています！ (2021年6月14日 17時) (レス) id: 3b50ba95a6 (このIDを非表示/違反報告)
グリノワ(プロフ) - 花蛸花さん» でもご安心を！(？)お気に入りと高評価はもちろんのことさせていただきますので！ (2021年1月16日 17時) (レス) id: 99844850a9 (このIDを非表示/違反報告)
グリノワ(プロフ) - 花蛸花さん» はい、でもどうやらフレンドの上限がダメなようで少し残念ですが... (2021年1月16日 7時) (レス) id: 99844850a9 (このIDを非表示/違反報告)
グリノワ(プロフ) - 花蛸花さん» あの、すごく好きです！ゲームID登録とこの作品のお気に入りと高評価させてもらってもよろしいでしょうか？ (2021年1月16日 7時) (レス) id: 99844850a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2020年11月6日 0時
