・41 ページ41
「Aちゃんはどんな職業の人がタイプ?やっぱ警察官?」
「ん〜……収入が安定してる人がいいですね!」
安定どころかガッポガッポ入りますよ。収入面、年齢に関しては難なくクリア。しかしそうじゃない。反社の人間をどう思っているかについて聞きたいがこの場合ストレートに聞いていいものだろうか。
「俺ら反社なんだけどそこんとこどう思う?」なんてストレートに聞けるなら世の中苦労しない。どうしたもんかと唸っていると、「あの、」と今度は彼女の方から口を開いた。
「どうした?」
「あの……蘭さんも竜胆さんも、私に会いに来てくれてますけど、お二人には彼女居ないんですか?」
「いねぇよ。兄貴に彼女が居たのなんてそれこそ何年も前だよ。」
その変わり、セ フレは腐るほどいた。ここ最近は彼女が居るからなのか、女の気配は全くしない。あるとすれば彼女くらいのもので、ちらっと見た連絡先の履歴には、あれだけ沢山あった女の名前がサッパリ消えていた。あれを見た時はビビりすぎて声出た。
「Aちゃんは?付き合ってる人いるの?」
「……お恥ずかしながら、お付き合いの経験は全くなくて……」
知ってる。なんて言えなかった。愛が爆発寸前の兄は彼女について徹底的に調べ上げたのだ。これまでの交際履歴やお稽古事、出身校まで全てだ。それに協力した竜胆が言うべきことでもないが、本当に気持ち悪いと思ってしまったのは胸の内に秘めておく。
「好きな人は?」
「……い、います、」
今がチャンス。そう思った竜胆は、緩く口角を上げて口を開いた。
「それって、うちの兄貴だったりする?」
竜胆がその質問をした途端、彼女の顔がりんごのように赤くなった。熱くなった頬を両手で包んでいるその姿は、正しく恋する乙女という可愛らしい言葉が似合うのだろう。
こんなにも純粋で、乙女で、まだ穢れを知らない女の子が、今まで女をオ ナホとしか見ていなかった兄と本当に仲良くお話しているのだと思うと涙が出てきた。彼女の隣で、自分は純白ですよみたいな顔で座っている兄をぶん殴ってやりたい。それかそのご立派なブツを切り落としてくれ。Aちゃんが穢れる。
もう兄貴の機嫌とかどうでもいいから「違います」って言ってくれ。同級生であってくれ。学校の先輩であってくれ。しかし、彼女の表情から分かる通りその願いが届くことは無かった。
「……は、い、……」
1802人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かのん - 竜ちゃんの心の声が荒れてて面白過ぎるwww (2022年1月15日 12時) (レス) @page47 id: 23ecb5b22b (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - あれれ?竜胆さんしれっと春千夜がヤク中ってバラしちゃったよ?((゜ㅇ゜)??? アレェ?竜胆さん? (2021年10月16日 3時) (レス) @page47 id: 4fca3f24b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 蘭さん好きぃぃぃぃ!!!!そして竜胆面白すぎるw w w (2021年10月14日 20時) (レス) @page43 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 竜胆の心の声が面白すぎますwwwwww (2021年10月14日 15時) (レス) @page43 id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
絶狼(ゼロ)(プロフ) - 面白いですゲラゲラ笑ってしまいました。最新では思わず竜胆ォォォwwwwwwと変な声が出てしまいましたこれからも頑張ってください応援してます (2021年10月14日 14時) (レス) @page43 id: 1a90028617 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年9月26日 3時