自称・サラリーマン(反社)とJK【東リべ】

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｢九井さんとは引っ越して以来連絡とってないんですけど、あの頃は可愛い髪留めとか色んなもの貰ったんですよ！｣

｢へ、へぇ……｣

｢乾さんの真似して、ココくんなんて呼んだりして、すごく優しくしてもらいました！｣





不憫すぎて泣きそう。なんでこうもこの子の周りには反社会勢力の人間が多いのだろう。幼馴染も反社、その兄貴も反社、幼少期の知り合いも反社、そして自分も反社。いつかお祓い連れていこう。





｢仲良しだったんだな〜｣

｢はい！｣

｢でも、怖くねぇの？不良だろ？｣

｢ん〜……怖いと感じたことはないですね……周りの影響もあったのかもしれませんけど、皆さんとても優しかったので！｣

｢そっか〜そりゃよかったな〜｣





ガラの悪い人間に絡まれるのは昔からのようだ。昔からそう言う体質なのか、やはり兄がチームに所属していたせいなのか。体質なわけがないが、もしそれが体質なのなら今すぐお祓いに行っていただきたい。





｢兄の影響のせいなのか、私の周り元不良の方が多いんですよね〜……皆さんどこかしら刺されたことがあったり、知り合いにデザイナーさんがいるんですけど、その人は昔コンクリートブロックで背後から殴られたことがあったらしいです！｣

｢わ、わぁ〜…過激〜…｣





それ多分俺だわ。いや、絶てぇ俺だわ。なんて言えるはずもなく、ただ曖昧な返事しかできない。コンクリートブロックで殴られたことのある不良なんてそうそういないと思う。





｢そう考えると不良の世界って厳しいんですね〜｣

｢そうだな〜厳しいんだろうな〜｣





厳しいんじゃなくて頭イカれてるだけなんだよな。それにも気付かずどこぞの武道(ぶどう)くらいにしか思ってないAの危機感の薄さに、絶対に守ってやんないとなと改めて思った。そのうち悪い奴に引っかかって騙されるに違いない。いや、正確にはもう既に引っかかっているんだけども。





｢そろそろ帰るか〜｣

｢はい！今日は連れてきて下さってありがとうございます！｣

｢いいえ〜誰にでもホイホイ着いて言っちゃダメだからな〜？世の中悪い大人しかいねぇから。｣

｢……？蘭さんはいい大人なので大丈夫ですね！｣

｢………ウン。｣





Aちゃんにはいい大人だから。嘘ついてないから。うん。嘘じゃないから。そう自分に言い聞かせて、蘭は苦笑いをうかべる。

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