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「ありがとうございました!」
「ん。なんか困ったことあったら言えよ。」
家の前まで荷物を運び、メモ帳に雑に連絡先を書くと「ほら」と少し雑に彼女にそれを渡す。
「じゃあな〜」
「次は臣くんも連れてきてね!」
「ケッ、冗談じゃねぇわ。」
「あ、Aちゃ〜ん、今日の夜も行くからな〜♡」
「はい!待ってます!」
Aにひらひらと手を振る蘭と竜胆と、その少し先を歩く三途。しばらく歩いたかと思うと、何かを思い出した様子で振り向いた。
「親父さんには俺に会ったこと言うなよ?面倒だから。」
「…?うん、分かった!」
「ん。」
正直そんな心配をしなくても、父親とまともな会話なんてしないわけだが。そんなこと言えるはずもなくて、Aはただ小さく手を振って彼らを見送った。
部下に近くまで迎えに来るようにと連絡を入れている三途の後ろから、蘭が声をかける。
「おい三途〜」
「あ?」
「正和って誰?」
「………あいつの兄貴。」
「そんなすぐ死んじまうような仕事してたのか、Aちゃんの兄ちゃん。」
「警察官だったからな。……仕事中に死んじまったって言われても納得いくわ。」
いつになく暗い表情の三途に、二人は顔を見合せた。調子狂うよな、こいつがこんなだと。いつも馬鹿みたいに声を張り上げながら裏切り者をスクラップにしているような男だからこそ、こんなことはごく稀である。
「……んな事より、お前らあいつに変なことしたらぶっ殺すからな。」
「しねぇーよ。巫山戯んなぁ?」
「てめぇこそ薬キメまくって変なことすんじゃねぇぞ。」
「するわけねぇだろぶっ殺すぞ!!!」
先程までのしんみりした空気はどこへやら、いつもの調子の三途に竜胆はため息をついた。
「お前らあいつの親父さんに会ったことあるか。」
「ねぇなぁ。だいたいいっつも仕事でいねぇもんなぁ〜」
「んじゃ、今後も会わねぇようにしとけ。」
「なんでだよ。」
「あいつの親父さん、警察関係者なんだよ。」
「「……まじ?」」
仕事が忙しいとは聞いていたが、職業まで聞いたことは無かった。三途曰く、出世しているかどうかは知らないが、現役で働いているならそれなりに上の人間になっていると思う、との事だった。
これは面倒なことになったぞ。そんなことを思いながらも、彼女に会うことを辞める気はさらさらない。
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かのん - 竜ちゃんの心の声が荒れてて面白過ぎるwww (2022年1月15日 12時) (レス) @page47 id: 23ecb5b22b (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - あれれ?竜胆さんしれっと春千夜がヤク中ってバラしちゃったよ?((゜ㅇ゜)??? アレェ?竜胆さん? (2021年10月16日 3時) (レス) @page47 id: 4fca3f24b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 蘭さん好きぃぃぃぃ!!!!そして竜胆面白すぎるw w w (2021年10月14日 20時) (レス) @page43 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 竜胆の心の声が面白すぎますwwwwww (2021年10月14日 15時) (レス) @page43 id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
絶狼(ゼロ)(プロフ) - 面白いですゲラゲラ笑ってしまいました。最新では思わず竜胆ォォォwwwwwwと変な声が出てしまいましたこれからも頑張ってください応援してます (2021年10月14日 14時) (レス) @page43 id: 1a90028617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年9月26日 3時