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「帰んぞ〜」

「お、おう。」





蘭は彼女の姿が見えなくなったと同時に踵を返して来た道を戻っていく。





「……え、いっつも話して終わり?」

「んー?まぁそんな感じだよな〜俺らにも物怖じしねぇ面白い子だったろ?」

「いや、まぁ……」

「なんだよ、何か言いたそうだな〜」

「いや……予想と違ってたから……兄貴の新しいセ フレ候補とかだと思ってた。」

「俺がいつセ フレだっつったよ。」

「いや、日頃の行いだろ。」





んなわけねぇだろ〜?なんて笑う蘭。確かに、今のを見て蘭が彼女をそういう目で見ているわけじゃないのは分かったが、なんとも不思議だった。あそこまで気にかける上に、身体の相性が良すぎるとかえろすぎるとか経験が豊富で超ラッキー♡って感じでもなさそうな女に執着するなんて、何が起きてるんだと思うほど。





「もしかして、3Pでもやらされると思った?」

「思うだろ。でもそうなってもさすがに俺は断る。高校生と遊ぶのはリスクやべぇし。」

「俺だって別にAちゃんとそんな爛れた関係になりたくて会ってるわけじゃねーんだよ。勘違いすんなぁ〜?」

「はいはい……でも、珍しいよな。兄貴がここまで気にかけんの。送り迎えとかめんどくせぇって言ってたじゃん。」





過去にも、「迎えに来て〜♡」とか「酔ったから一人で帰れなぁ〜い♡」なんて甘えた声を出す女は沢山いたが、その度に蘭は「めんどくせぇから、パス♡」なんて言って断ってきた。しかもストレートに。

送り迎えが常識だ、とキレていた女もいたが、その女はその場でバッサリ切られていたし、しつこく言いよれば殴られるか殺されるかの二択。それに関しては機嫌次第だ。そんな兄がわざわざ送り迎えだなんて明日は大雪ものだ。





「だってなんかあったら危ねーじゃん。Aちゃんちいせぇ上に可愛いからすぐ狙われそう。いくらレオが居ると言っても所詮犬だしなぁ〜」

「俺が珍しいって言ってんのそこなんだわ。」

「ん〜?あの子は特別♡」





うっわ、まじか。思わず口に出そうになったその言葉をしっかりと飲み込んで、「そうか……」と小さく返事をする。まさか、兄をここまで絆ているのがあんなに小さくて上品そうな高校生だなんて思ってもいなかった。

ほんの数十分しか経っていないのに、今までで一番濃い一日になってしまった。

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かのん - 竜ちゃんの心の声が荒れてて面白過ぎるwww (2022年1月15日 12時) (レス) @page47 id: 23ecb5b22b (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - あれれ?竜胆さんしれっと春千夜がヤク中ってバラしちゃったよ?((゜ㅇ゜)??? アレェ?竜胆さん? (2021年10月16日 3時) (レス) @page47 id: 4fca3f24b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 蘭さん好きぃぃぃぃ!!!!そして竜胆面白すぎるw w w (2021年10月14日 20時) (レス) @page43 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 竜胆の心の声が面白すぎますwwwwww (2021年10月14日 15時) (レス) @page43 id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
絶狼(ゼロ)(プロフ) - 面白いですゲラゲラ笑ってしまいました。最新では思わず竜胆ォォォwwwwwwと変な声が出てしまいましたこれからも頑張ってください応援してます (2021年10月14日 14時) (レス) @page43 id: 1a90028617 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年9月26日 3時

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