おっかな妹-2【東リべ】

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試着室から出てきた彼女は、制服とは違う輝きがあった。雑誌に載っている綺麗なモデル。源本はあまりそういったファッション雑誌を真剣に見ることはなかったが、その系統の雑誌に載っているモデルだって目じゃないほど輝いていた。

スタイルも、顔立ちもそうだが、服が彼女の味方をしているとでも言うのだろうか。きっと自分が着てもちんちくりんになるばっかりで、服に着せられている感が全面に現れるに違いない。





｢おぉ、似合うじゃねぇか。｣

｢ま、あたしだからね♡これ着て帰るからタグ切って〜｣

｢はい、ありがとうございます！｣





彼女は服のタグを店員に切らせながら、ヒールの高い靴を慣れたように履いてつかつかと彼女に近寄る。





｢どーよ♡｣

｢ぇ、ど、どうって……あ、服、ですか、、？｣

｢それしかないでしょ。｣

｢と、とっても、似合ってると思います……｣

｢だぁよねぇ♡｣





どうやら、彼女は自分の顔のよさもそのモデル並みにいいスタイルも自覚しているようだ。きっと彼女に着こなせない服なんてないのだろう。誰よりも自信に満ち溢れた彼女が、源本は少し羨ましかった。





｢さ、次の店行くよ〜｣

｢え、まだ……！？｣

｢は？何言ってんの？あと5件はハシゴすんだろ？｣

｢え、そ、そ、そんなに…！？｣

｢金も荷物も気にすんな。今日はわけぇ荷物持ちもいるからよ。｣

｢もう三十路だぞ……｣

｢俺より若いだろうが。｣

｢ほら、さっさとする。｣





彼女は高いヒールなのにも関わらず、源本の腕を引いてつかつかと歩いていく。源本は彼女に比べればヒールのずっと低いローヒールのパンプスなので問題は無いが、彼女はこんなに早足で転けたりしないのだろうか、と不安になる。しかし、少しも体感がぶれず、躓くことも無くすたすたと歩いているのを見るとそんな心配は不要なようだ。

彼女は次の店に行くと、値段も見ないままにそばにいた店員に次々と服を渡していく。そのうちの可愛い系統に部類されるであろう服は別の店員に。





｢こっちの服はあんたのだからね。｣

｢え、こ、こんなに……！？｣

｢どーせろくな服持ってないんでしょ？Tシャツとジーパン、あとはパーカーとか？可愛いスカートとかワンピあんま無いんじゃねーの？｣

｢な、なんで………！？｣

｢見てりゃわかる。｣





ゆるりと口角を上げて笑った彼女は、全てお見通しと言わんばかりに彼女を見た。どこまで知られているんだ、と源本は身震いをする。

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