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朝の10時頃、Aは灰谷兄弟の部下を使ってとある場所へと足を運んだ。
「ここまででいーよ。」
「分かりました。迎えはどうしますか?」
「あー、いーよ。いらね。自分で帰る。」
適当なところに下ろしてもらい、あとは徒歩で目的地へと向かう。昨夜は家に帰ったあと、「これ、お高いブランデー♡」なんて言ってお酒を持ってきた蘭に付き合い、3人で今夜2時半までお酒を飲んでいた。と言っても、途中で眠ってしまったわけだが。眠っていたのは、もちろん兄二人。
蘭が強いせいなのか、普通に体質の問題なのか、Aは頗る酒に強かった。二人はAが居ることにテンションが上がったのか、ブランデーのロックをガバガバと飲んでしまい、竜胆は早々にダウン、酒に強い蘭でもさすがによってしまったようだ。べろべろになってそのままソファーで眠ってしまい、朝になると頭が痛いやら腰が痛いやらと騒ぎながらもシャワーを浴びて仕事に向かった。
Aはというと、ほとんど酒も回っていなかったので普通にシャワーを浴びてベットで眠った。体格差もある二人をわざわざベットに運ぶなんて労働をする気は少しもなかった。
部下の車をおりて数分。『D&DMOTORS』と看板を掲げた店の前で足を止める。店の中では、こめかみに龍のタトゥーを入れた黒髪の男と、長髪の男が作業をしていた。
「けんちゃ〜ん♡いぬちゃ〜ん♡」
けんちゃんはともかく、彼をいぬちゃんなんて呼ぶ人間は彼女しかいなくて、二人は勢いよく彼女の方を振り返った。
「A!?」
「けんちゃん久々〜♡いぬちゃんまた髪伸びたね〜」
「あ、あぁ……」
「きょーはね〜バイク取りに来た〜」
「あぁ……奥にあるからちょっと待ってろ。」
けんちゃん、と呼ばれた男。この店の店長である龍宮寺堅は、店の奥へと入ってくる。彼とは東卍時代からの付き合いである。兄二人が用事があるからと連れていかれた渋谷で迷子になって、本当にたまたま出会ってしまったのだ。
当時の佐野も龍宮寺も、自分に全く怯えない子供なんて初めてで、主に佐野が彼女を気に入ってしまったのだ。灰谷兄弟と一触即発かと思われたが、間にAが居るとなると喧嘩なんて出来ないのは当然で、Aが会いたいとねだれば簡単に渋谷まで連れてきてくれるのだからあの二人の甘さ加減は凄まじいのだと思う。
もちろん、彼らと会っている間兄二人はおじゃま虫扱いを受けていたわけだが。
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自律思考固定砲台 - 梵天大好きな私の為に作られたのかと思った…。作者様、マジで神じゃん!? (2021年9月27日 22時) (レス) @page38 id: 426cb43a7c (このIDを非表示/違反報告)
わわるこ(プロフ) - 夢主ちゃんがマジで好み過ぎる… 主様の作品大好きです!応援してます! (2021年9月26日 12時) (レス) id: e592c4a1c9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
ma(プロフ) - 灰谷兄弟の妹めちゃくちゃいい作品に出会えて嬉しいです!春千夜大好きなので梵天絡みまじ好きです!落ち楽しみにしてます!!これからも更新頑張ってください^_^応援してます! (2021年9月16日 13時) (レス) id: 70f00aa1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年9月16日 2時