先生、好き。【呪術廻戦】 (ページ6)

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高専二年ページ6

あれから日が経つのは早くて、彼らはもう二年生になった。そうなれば自然と彼女は担任から外れ、新一年生の担任になった。

｢なぁんで先生が担任じゃねぇの！？｣

｢決まったことだから仕方ないね。｣

｢俺も一年生もっかいやる！！｣

｢無茶言うねぇ。｣

いつの間にやら、自分よりも随分背が高くなった彼を見る。去年より髪も伸びて随分と男らしくなった。

｢…なに？｣

｢ん？｣

｢……ずっと見てっから……｣

なんかはずい、と顔を赤くしてそっぽをむく姿はやはりまだ子供。

｢いいや。この一年で、随分と男らしくなったと思ってな。｣

｢まじ！？じゃあ付き合ってくれる！？｣

｢それとこれとは別。｣

｢なんで！？俺先生より背も高くなったぜ！？｣

｢背が高くなれば大人の仲間入りになれるってわけじゃあないよ。｣

ふふっ、と小さく笑い、わしゃわしゃと頭を撫でたあとその場を後にした。一年も経つのに、彼は少しも自分に飽きる気配がない。上層部からの嫌がらせは絶えない。

その日も二級なんて大嘘の特級案件の任務が回ってきた。まぁ、なんて事ないわけだが。

｢上層部も飽きないね。｣

可愛い生徒の青春を守れるならこれくらい安いものか、と彼女は笑う。自分が在学時、同級生は死にゆき先輩はその呪術界の厳しさから次々とやめたり死んだり。後輩は庵だけ。

まともな青春なんておくれやしなかった。だからこそ生徒たちの青春を守ってあげたい。五条からの告白を強く否定しないのは、彼の女教師への憧れというベタな青春を守りたかったから。卒業するまでには自然と無くなっているだろう。

携帯が鳴り、パカッと開くと五条かのメッセージが届いていた。

[先生お疲れ様。

好き。]

その二言。彼女はメールでも、いつもの返事しかしない。

[お疲れ様。

君が大人になったら考えてあげるよ。]

大人になる頃にはもっといい女(ヒト)が見つかっているよ。彼女はまた、小さく笑った。