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なんてことない二級呪霊の討伐任務。そう、彼らにとってはなんてことないいつも通りの任務内容だった。





「……産土神信仰……これは一級案件だ。」




目の前でカタカタと震える伊地知から受け取った報告書。七海が書いたものだろう。震える字で書かれたそれに目を通し、ぐしゃりとそれを握りしめる。

一番最後の欄には、灰原雄の死亡も記されていた。





「さ、さいしょの報告は、二級呪霊の討伐任務で、ま、間違えはなか、たんですけど、……わ、私の報告ミスかも……!」

「……いいや、違うよ。君は何も悪くない。確かに任務の伝達書には二級呪霊の祓除としか記されていなかった。私も目を通したからね。

君は悪くない。こちらのミスだ。……今日はもう休んでいい。すまなかった。」





くしゃ、と伊地知の頭を撫でてその場を離れた。上層部からの嫌がらせだろうか。いや、きっとそうだろう。





「……腐れ野郎が……ッ!」





勢いよく壁を殴ると、ドンッ!と鈍い音が響いた。ジンジンと痛む拳に段々と頭が冷静になってくる。落ち着け、今はそれどころじゃない。

生憎、家入は五条の引き継ぎ任務に同行していた。そのため灰原の解剖はAが行うことになっている。白衣を上から羽織り、ぐしゃぐしゃになった報告書を持って解剖室に入ると、夏油と七海の姿があった。





「先生………」

「……もう、始めるんですか?」

「………あぁ。そろそろ解剖(バラ)す。悪いが、出てくれるか?七海は医務室にいろ。あとで手当をしてやるから。」

「……七海。」

「…………」





七海は静かに立ち上がると、足早に解剖室を出ていった。夏油もそれを追いかけるように出ていく。それを確認して、髪を結い手袋とマスクをつける。

布を捲ると、傷だらけの灰原の姿。いつも元気で、弾けるような笑顔が素敵だった。高専の太陽のような子だったと思う。





「…………ごめんね、灰原。」






守ってやれなくてごめん。そう呟いて、彼女は静かにメスを手にとった。

・→←高専三年



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三隣亡 - こういうの待ってました!!これからもよろしくおねがいします! (2021年7月14日 2時) (レス) id: 63aa19421a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年7月14日 0時

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