高専三年 ページ12
あれから一年後。彼らは3年生になった。今年は一年生も少なくて、補助監督志望の伊地知のみ。
「伊地知。今度の灰原と七海の任務、担当はキミに任せてもいいかな。任務地には術師が直接出向くから、任務内容の報告とその後の後処理をするだけだよ。」
「そ、そんないきなり私一人で全部やるんですか…!?」
「もう入学してしばらく経つだろう?二年後には車の免許を取ってもらわなきゃいけないんだから、今のうちから業務内容を覚えてもらわないとね。出来るかい?」
「が、頑張ります………」
「じゃあ頼むよ。」
ぽんぽんと肩を叩き、頑張れと一言呟いてから教室を出た。補助監督は簡単そうに見えて実は辛いことが多い。多くの術師を送り出し、そしてその多くが死んでしまうのだ。そして時には自分も巻き込まれて死ぬ事だってある。
今のうちから精神を鍛え上げておかないと、いざ補助監督になると言う時に持たなくなる。
「お!先生発見!!!」
「やぁ、みんな。訓練は順調?」
「じゅんちょーじゅんちょー!」
「……夏油、顔色が優れない様子だけど。」
大丈夫か?と、五条のすぐそばに居た彼に声をかけると、眉を下げて笑った。
「大丈夫ですよ。ただの夏バテです。」
「……?そう……あまり無理はしないようにね。特級になったからと、休みを取ってはいけないわけじゃないんだから。」
「はい。」
「あ、せんせー。解剖のことで相談があるんですけど。」
「あぁ、いいよ。行こうか。」
「あ、ねぇ先生。好き。」
「はいはい、分かったから教室に戻りな。」
また軽くあしらわれた!!!とギャーギャーと騒ぐ五条を、夏油は苦笑いを浮かべながら引きずっていった。この光景ももう3年も続いていれば見慣れるものだ。
「あいつも飽きないな〜」
「そろそろ飽きて欲しいものだね。さ、解剖室に行こうか。」
「なんか毒物反応が出たらしいんですよね〜」
「毒物ね……じゃあ臓器は使えないな。全部処分してしまおう。」
「は〜い。」
傍から見ればなんて会話してんだよ、とツッコまれそうな会話だが、これが日常だ。呪術界の日常は物騒なことばかり。こんな日常、今更もう慣れたものだが。
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三隣亡 - こういうの待ってました!!これからもよろしくおねがいします! (2021年7月14日 2時) (レス) id: 63aa19421a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年7月14日 0時