新入生 ページ1
都立呪術高等専門学校。今年の入学生は豊作だった。六眼と無下限呪術の抱き合わせ。体術に優れた呪霊操術の使い手。反転術式の使い手。しかし、問題児ばかりの今年の入学生に、夜蛾は手を焼いていた。
そんな彼らが入学して一ヶ月半が経とうとしている。その一週間の間で、同級生同士の喧嘩が度々起こったが、今は何とかやっていけてる様子だった。
「夜蛾せんせー、俺らの担任いつ来んの?」
「確かに、もう1ヶ月近く経つからね。」
「今日の午後には帰ってくると聞いてる。待っていればそのうち来るだろ。」
彼らの担任を任されたのは去年まで在学していた女性だと言う。話だけしか聞いていなかった彼らは、それなりに興味はあったが彼女は立て続けに長期任務へと出向いていた。タイミングが悪すぎる。
「だるー…」
「ストレッチは基本だよ。」
「怪我しても治してやんないからな。」
「なんでだよ。」
グラウンドでストレッチをしていると、石段の上からそんな彼らの様子を眺める女性の姿があった。
「…あいつ誰?」
「さぁ……?新しい補助監督の人かな。」
「あ、こっち来る。」
コツンッとヒールを鳴らしながら、その人物は彼らに近づいた。サングラスをかけていて目元は見えていないが、美形であることは確かだ。細身の黒いスーツ、スラッと背が高くてまるでモデルのよう。
「……君達が今年の一年生か。」
「お前だれ?」
「こら、悟。初対面の人に失礼だよ。」
「私たちが今年の一年生ですよ〜」
「だろうね、初めて見たもん。」
「ここの職員の方ですか?」
「まぁ、そうだね。自己紹介が遅れて申し訳ない。私が君たちの担任の
そう言って、彼女はサングラスを外すと内ポケットにそれをしまった。ドキッと心臓が跳ねた。ネイビーの瞳と目が合うと、ニコリと優しく微笑まれる。気づいたら五条は、彼女の手をグッと掴んでいた。
「?」
「先生、好き。」
「「……は?」」
同期二人の声が重なる。一方の彼女は驚きで目を見開いていたが、にこりと微笑んでこう言った。
「君が大人になったら考えてあげるよ。」
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三隣亡 - こういうの待ってました!!これからもよろしくおねがいします! (2021年7月14日 2時) (レス) id: 63aa19421a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年7月14日 0時