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「や、久しぶりだね。」
「お久しぶりです。すみません、わざわざ…」
「いいんだよ。こっちこそごめんね、1週間も待たせて。」
さ、乗って。と五条は車の助手席を開ける。彼女は失礼します、と小さく頭を下げて車に乗り込んだ。随分と上品なんだな、なんて考えながら扉を閉める。
連絡のあと、任務が立て続けに入りなかなか彼女を墓参りに連れて行けなかった。ほんの少しの申し訳なさを抱えたまま一週間を過ごし、やっとこさ彼女を墓参りに連れていくことが出来る。
「行く途中、花屋に寄るから。」
「ありがとうございます。……今日は目隠しじゃないんですね。一瞬誰か分かりませんでした………」
「ん?あぁ、これ?今日はね〜サングラス。どう?僕ってGLGだからさ〜♡」
「は、はぁ………」
「なんでちょっと引くの???」
「いえ……でも、とても綺麗な目ですね。……雲ひとつない、曇りの無い空みたい。」
そう言って、彼女はふんわりと微笑んだ。なるほど、七海が惚れるのも分かるかもしれない。体全身から滲み出るほどの上品さ、落ち着きのある声。優しい微笑み。それら全てに落ち着きがあって、とても綺麗だった。
「……ありがとう。これは特別な目でね、六眼って言うんだよ。」
「六眼……?」
花屋に行くまでの道中で、彼女に自分の術式や六眼について話をした。彼女は興味津々なように頷きながらその話を聞いている。
そんな彼女をチラッとみやると、明らかに痩せていた。ほとんど会うことはなかったが、それは誰しもが分かる程の変化だろう。
「………最近、まともにご飯食べてる?」
「………いえ、あんまり………」
「だろうね。すごい細いもん。帰り、ご飯でも食べて帰ろうか。」
「え…!?そんな………五条さんせっかくのお休みなのに………」
「いーっていーって。休みの日くらい贅沢なもん外で食べたいしね。」
「………すみません……気を使わせてしまって………」
「謝んないでよ。僕がしたくてしてんの。」
なんでこんなにも気にしてしまうんだろうか。ほんの少しのモヤモヤと違和感を感じたが、五条は気のせいか、と無理やりその気持ちを振り払う。
しかし、その気持ちはなかなか消えてはくれなかった。
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モモ - 占ツクで初めて声にならない泣き方してしまったァァァァア!!!文面でだけでも明るくしないとやってらんないぃぃ!!最高でした!! (2022年8月2日 22時) (レス) @page25 id: 54acfceb29 (このIDを非表示/違反報告)
森 - あれ?目って蛇口でしたっけ?なんか水出てきた… (2022年2月21日 21時) (レス) @page5 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱらぁ - 夜中にガチ泣きしましたよぉ (2022年1月1日 13時) (レス) @page25 id: 72348a8a16 (このIDを非表示/違反報告)
しぃはる - 魔朝@Bscさん» ホントにそれなです…( ; ; )ナイアガラの滝を軽く五つぐらいは作れそうですよね。←何言ってるんだろう私 (2021年7月4日 0時) (レス) id: 0f3d393f54 (このIDを非表示/違反報告)
魔朝@Bsc(プロフ) - 今なら涙で滝作れる。 (2021年6月28日 9時) (レス) id: 9bfc59222b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年6月28日 2時