愛するあなたに【呪術廻戦】

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ﾊﾞﾀﾝｯと玄関の扉を閉めた瞬間、体の力が抜けた。何とか家に帰ってこれたが、顔の熱が引かない。





｢び………くり、した………｣





バクバクとうるさく鳴り響く胸を押えて、大きく深呼吸をする。こんなにドキドキしたのはいつ以来だろう。数年前、七海に告白された時以来かもしれない。

何とか足に力を入れて中に入る。カバンをリビングに放り投げて、シャワーを浴びるよりも先に自分の部屋に駆け込む。七海とのツーショットを手に取り、ぎゅっと抱きしめる。





｢ど……うしよう………｣





生憎、彼以外の男性にときめくことはなかった。こんなの初めてだった。





｢建人さん、……わた、し……どーしよ………｣





つい先程の出来事。それがフラッシュバックして顔がカッと熱くなる。今まで彼にそんな感情を抱いたことなんてなかったはずだった。五条はただのお友達、そう思っていた。

でも、そうじゃないらしい。それでも彼女の中で一番は七海建人という男だった。こんな時、なんて答えたらいいのか分からなくて、色んな考えがぐるぐると頭の中を回っていた。

とりあえず冷静になりたくてシャワーを浴びることにした。写真立てを棚に戻して、よたよたと部屋を出る。





｢……ほんとにどーしよう……｣





シャワーを浴びても、その悩みが消えることは無かった。

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