前髪と息子-2【呪術廻戦】

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｢私、悟に訓練してもらってもいいよなんて言ってないよ。｣

｢……………だって、｣

｢だってじゃない。嘘をつくのはいけないことなんだよ。｣

｢よく言うよ。｣





女に嘘つきまくりだったくせに。と聞こえるか聞こえないかの声量で呟いた五条だったが、その言葉はバッチリ夏油の耳にも届いていた。





｢……硝子、書類20組追加。｣

｢はいよ〜｣

｢ちょっと！！！｣





都合が悪くなるとすぐこれだ、と家入はため息をついたが五条がこのような姿になるのは面白いので書類を20組追加で重ねた。





｢……話を元に戻そう。……A、こういう事はちゃんとお父さんに言いなさい。危険なことだってAなら分かるだろ。｣

｢………だって、悟くんが言ったらダメって言うだろうね……って、｣

｢………悟？｣

｢あ"っっっっ！！Aそれ秘密って言ったじゃん！！｣





シーッ！と書類の奥で人差し指を口に当てる五条に呆れてしまう。





｢…………A、人のせいにしたらだめだ。重要なことは必ずお父さんに言う。いいね？｣

｢…………うん。｣

｢ん、分かってくれたならいいよ。明日から、お父さんが稽古つけてあげる。｣

｢……え！？！？ほんと！？｣

｢Aがそこまで術師になりたいと思ってるなんて知らなかったしね。ならなかったとしても、体術は身につけて困るものじゃない。その代わり、私は厳しいよ？｣

｢うん！！ありがとう！！｣





今まで暗い顔をしていたAだが、すぐに笑顔になって家入の方に走っていく。





｢ね、硝子ちゃん！聞いた！？お父さんが僕に稽古してくれるって！｣

｢あぁ、聞いてたよ。良かったなA。｣

｢いや〜良かったね〜！！ところで傑、僕のこれいつ退けてくれる？｣

｢あと1時間くらいそのまま。｣

｢なんで！？！？｣

｢Aを唆した罰。｣





そういった夏油の表情は、清々しい程の笑顔だったと言う。

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